藤森 哲也(不動産コンサルタント)- Q&A回答「地震による倒壊の責任について」 - 専門家プロファイル

藤森 哲也
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藤森 哲也

フジモリ テツヤ
( 不動産コンサルタント )
株式会社アドキャスト 代表取締役
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地震での建物倒壊について

住宅・不動産 住宅・不動産トラブル 2019/07/01 15:51

弊社工場の隣に、かなり古い物件で大きな地震が来たら倒壊しそうな工場があります。
仮に地震の際に、建物が傾いて弊社の工場に倒れ掛かってきた場合、
地震ということで、相手方には保障の責任はないのでしょうか?
ご確認お願い致します。

もん-たんさん ( 三重県 / 女性 / 44歳 )

藤森 哲也 専門家

藤森 哲也
不動産コンサルタント

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地震による倒壊の責任について

2019/07/02 15:56

はじめまして、不動産コンサルティング会社、アドキャストの藤森と申します。
不安な状況に悩まされるストレスは大変なものと察します。

ご質問いただきました件ですが、他の回答者様もアドバイスされています通り、
土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることによって、他人に損害を生じたときは、
その工作物の占有者は、被害者に対してその損害を賠償する責任を負うとしています。
これは民法となり、その原因が地震などの災害であっても、予想可能な震度で
倒壊してしまう場合には責任が生じる可能性が高いです。
予想可能な地震とは、地域別である過去の状況にもよりますし、対象物が建築
された時期の法令を遵守しているかによっても、耐えられ基準かどうかの
判定基準は異なります。
40年前に発生した宮城沖地震では、震度5に耐えるものかどうかが、
責任の基準となっている判例があったと思います。
しかし、その地域で東日本大震災後に建築された場合は、
おそらく予想可能な震度は更にあがる可能性もあります。


なお、事前にこの不安を払拭しようとする場合、民法では物上請求権というものがあり、
妨害予防請求権というものがあります。
将来の所有権侵害などを阻止するために、相手に予防策を講じるよう請求するものです。
裁判所の仮処分決定を取りつけ、建物を除去したり事故防止措置を講じるなど、
請求レベルから強制執行まで、方法自体はいくつかあると思います。

万が一の事態が起きた際、責任の有無より責任を取れる資力があるかどうかも
注意点の一つです。
また、隣接地との関係もあるお話ですし、個々ケースや詳細な状況精査によっても、
相手方に追及できる責任は変わってきます。
起こりうるリスクと請求できる責任の度合い、履行できる能力・資力の調査のうえ、
どういった対策や行動がもっとも利益と安心になるか、本格的に精査してみても
良いかもしれません。

もん-たん様の置かれた状況で、もっとも利益ある選択の参考にして頂けたら幸いです。


以上、ご参考になりましたでしょうか。

アドキャスト:http://ad-cast.co.jp/  藤森哲也

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