藤森 哲也(不動産コンサルタント)- Q&A回答「不動産会社の選び方について」 - 専門家プロファイル

藤森 哲也
将来必要なお金を把握せずに、家を買うのって怖くないですか?

藤森 哲也

フジモリ テツヤ
( 不動産コンサルタント )
株式会社アドキャスト 代表取締役
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図面上は居室が実は納戸

住宅・不動産 不動産売買 2019/01/18 08:21

主人の実家が売却を検討しております。

約20年前に購入した建売の戸建で、図面には居室となっている部屋が納戸になると不動産会社より指摘されたそうです。

図面と実際が異なる為、もし買い手が見つかっても、その際銀行ローンがおりないので、対個人には売却できないとのことです。
そこで不動産会社より、現在の査定価格の60%で買い取りを提案されたそうです。

ちなみに20年前に購入した際に仲介をお願いした不動産会社と、今回売却をお願いしてる不動産会社は同じ会社です。

そこで疑問なのが、そもそも仲介した不動産会社には責任はないのでしょうか?
図面を直すなり、何か対策はないのでしょうか?

なんとなく年老いた義理の両親が不動産会社の都合の良いように言いくるめられてるように感じてしまい…

この不動産会社の提案が妥当なのかご教示願います。

ttamさん ( 東京都 / 女性 / 39歳 )

藤森 哲也 専門家

藤森 哲也
不動産コンサルタント

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不動産会社の選び方について

2019/01/18 10:58

ttam様
はじめまして、不動産コンサルティング会社、アドキャストの藤森と申します。
ご質問いただきました件ですが、中古の物件に問題がありローンが通らないことは
確かにございます。

しかし、理由としては大幅な建蔽率オーバーや容積率オーバー、
度を越えた違反建築といった場合に多く、若干の建蔽・容積オーバーや、
図面との表記が少し異なる程度で、棒にも箸にもかからないといった
説明であれば、ttam様が不信感をお持ちになるのは当然かと思います。

現在の中古戸建では、図面との表記どころか検査済証を取得していないものや、
間取り自体が建築確認と若干違うものさえあります。
程度問題によりますが、ローンの審査は通してみないと分かりませんし、
そもそも現金で購入される方もいらっしゃいます。

査定価格が適正かどうかはさておき、初めから査定価値の6割で売却する提案は
売主の利益を優先したものとは考えづらいところがあります。


相場より安い価格での買取を提案する業者はありますが、自社で安く買い取り、
利益を乗せて売却する方が、仲介手数料で稼ぐより利益が大きいことや、
自社だけで扱える物件によって反響を集め、多くのお客様を得られるといった
理由が一般的です。

悪質なところでは、査定時に相場より高めの金額を提示して媒介契約を取り付け、
他社から問い合わせが入っても、「売り止めです」「契約予定です」と言った、
要はご紹介できませんという断り文句で、他社紹介の買主を付けさせない業者も
あります。
「両手」と言われる、売主買主の両社から手数料をもらう目的や、
売れない状況を理由に、相当安い価格での買取を提案する目的で
あることが多いのです。

ご主人の実家が売却を急いでいて、本当にローンが付かない相当な違反でも
ない限り、今回のような若干強引とも思える提案の受け入れは慎重に検討
するべきかと思います。

他の回答者様もアドバイスしています通り、そちらの業者が良いかどうか、
ttam様の意向や考え方と合うかどうかの判断にも、数社は他の業者にも
見積もりと販売戦略、その根拠などを聞いてみては如何でしょう。

ちなみに、図面上では居室となっていても、建築基準法上では納戸であることを
20年前に指摘しなかったこととして仲介業者へ責任を問うのは、建築の専門知識
までは求められないところもあり、現実的には難しいところがあると思います。
ご実家の購入時に「納戸は嫌だ」と伝えていたにも関わらず、「これは居室です」
と説明して購入させたのであれば、宅建業者として説明義務違反などが
生じる可能性もありますが、それも20年以上も前になってしまうと困難かと
思われます。


納得のいかない部分もあるかと思いますが、仮に無責任な仲介業者で有った場合、
売主様の利益を考えた販売努力もせず、はじめから4割もの不利益を提案する業者は
売却後も瑕疵担保責任(雨漏りがあるとか建物が傾いている等の問題)をご実家に請求し、
費用や責任を求めてくる可能性も考えられます。
売主が個人の場合は、この瑕疵担保責任を免責にして売却することも可能ですが、
不誠実な業者が買い取る場合は、そういった権利の説明もなく瑕疵担保責任の設定
された契約になるでしょうし、その他でも自社に有利な内容になりかねません。

この段階でttam様が違和感を感じ、不信感を抱いて相談する行動をされたことは、
そういった後々のトラブルを回避するものになるのではないかと思います。

以前、不動産仲介会社や営業担当者の選び方についての質問に回答した
URLですので、参考になればと思います。
https://profile.ne.jp/pf/adcast-fujimori/q/q-156935/



今でも「不動産のプロ」より「不動産を売るプロ」という風潮が強い業者があります。
同じ物件でも売り方一つ、買い方一つで、その後生じる責任や費用負担、購入した方の
生活までが変わってしまうことは多々あります。
良いパートナーに恵まれ、安心安全な不動産売買の実現にお役立て頂ければ幸いです。

以上、ご参考になりましたでしょうか。
アドキャスト:http://ad-cast.co.jp/  藤森哲也

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