
遠藤 光政
エンドウ ミツマサADD/注意欠陥障害の生物学的見解
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ATTENTION DEFICIT DISORDERS
(ADD) BIOGENIC ASPECTS
KENNETH BLUM, Ph. D.
JAY M. HOLDER, D.C., M.D., Ph.D.
(要 約) 遠藤光政
ADD/注意欠陥障害の生物学的見解
今日ADDは子供達に最も頻繁にみられる症状の1つで、通常脳細胞間のコミュニケーションを図る神経伝達物質のバランス異状を起こす遺伝的な要素を伴っています。ADDの子供達は外部からの刺激に対するフィルターが十分に働きません。つまり、周囲の重要でない刺激を排除することに困難があります。ADDの子供達には神経伝達物質の不足による神経細胞間の情報交換の不調が存在し、必要以上の信号が受け入れられて混乱を起こします。彼等には報酬や注意の感情に関わるドーパミンに反応することを困難にさせる遺伝的要素が存在すると考えられています。ある研究はADHDの子供達の49%にドーパミンD2受容体のA1対立遺伝子が存在すると報告しています。
またADDの子供たちに見られるその他の特徴として異常な脳波パターンがあります。彼らのベーター波(集中力に関連)は低く、シーター波(リラクセーションに関連)は高い。結果的にADDの子供たちは注意深い事前行為、問題解決などが不得意で、外部からの刺激が少ない活動を好みます。さらに、成人の多動性をもつ人々では脳内酸素消費が8%低下していました。
しかしながらADDの子供たちは短所を補う方法を学び、ストレスの多い状態や人ごみや騒がしい環境を避け、ゆったりとした時間を与えられ、急な環境変化を避けることで問題を乗り越えることが可能です。
先天的に報酬(充足感)が十分に得られない状態をもつ人たちにとって最も危険なことはアルコールや薬物による自己治療です。それらの物質によりいい気分が得られ日常生活が楽になると錯覚させます。しかし、やがて依存症を発症すると悲惨な目にあうことになってしまいます。ADD、ADHDの子供たちはその後の人生でアルコールや薬物を乱用する可能性が他の子供たちに比べ5.5倍高いということが報告されています。これらの子供たちにコカインの成分に似た代用物リタリンのような薬を飲ませることはたいへん危険なことです。
サブラクセーションにもとづくカイロプラクティックを行う多くのカイロプラクターがADHDの子供達の症状緩和を認めています。脳内報酬系の働きをみると中脳辺縁系の脳報酬カスケードにおいて神経伝達物質の受け渡しが正常に行われていると報酬と呼ばれる充足感を得ることが出来ます。脊椎のモーターユニットは脊椎から辺縁系への侵害受容反射により脳報酬カスケードメカニズムと密接な関係があります。
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