元舞台人の私が今回のライブから率直に感じた事 - 文化・芸術全般 - 専門家プロファイル

舞踊家(クラシックバレエ) 元プロバレリーナ
東京都
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元舞台人の私が今回のライブから率直に感じた事

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以下、昨日のライブを観た、元舞台人としての私の率直な感想ツイートです。

( ・・) ~ ☆彡☆彡☆彡




今回のステージ、各曲のニュアンスに対する的確な理解を示し、それぞれに味わいの違う素敵なパフォーマンスを魅せてくれた「表現力豊かに全ての観客に対して真摯な姿勢を持ったアーティスト」の中に、一人だけ「この人は一体何を考えているのか?何を表現したいのか?」と非常に疑問に感じる方がいた。


これは彼らを知った時から、私が常に彼に対して感じて来た事だ。彼は自分の才能を過信し、大事な何かが見えなくなっているのではなかろうか?


特に今回の舞台から受けた印象は、今までになく酷いものだった。舞台人として、アーティストとして、彼は何か大きな勘違いしている様にしか私には感じられなかった。でも彼らのプロデューサー含め、誰もそれを彼に指摘したり指導する人がいない事が、このグループの悲劇でもある。





何故彼はニュアンスの全然違う曲であっても、常にヘラヘラと笑い、安っぽくセンスのないパフォーマンスをするのだろうか?そしてそれをする時には必ず曲のニュアンスを完全無視した形で客席に媚びを売る。その姿は人気を独り善がりに競う事を好む勘違いホストの様だ。非常に安っぽく見苦しいと思った。


純粋に「質の高い曲を聴きに来ている観客もいる」と言うのに、彼がステージで見せているものは、本物のプロが見せる質の高いパフォーマンスからは程遠い。彼は全ての観客がそういうホストの様な事をする自分を好きだと思っているのだろうか?アンチもいるという事に目が行かないのだろうか?


彼は自分の才能を過信し過ぎて、観客を完全に舐めている様にしか私には見えない。観客に「プロとして余裕を感じさせたい」と思っているのかもしれないが、だとしたら勘違いも甚だしい。手抜きを感じさせるパフォーマンスにしかなっていない。


そこは天才肌の彼とは非常に対照的な所だ。何故なら私が愛する天才アーティストは、彼に取って簡単過ぎるだろうと思える様な曲であっても、反対に高度なテクニックを必要とされる曲であっても、常に丁寧に心を込めて真摯に曲を歌い上げているからだ。それを「真のプロフェッショナル」と言う。


彼は天才でありながら、決して自分の才能を過信せず、常にプロのパフォーマーとして観客に対して誠実だからだ。


天才肌の彼は、どんな曲であってもニュアンスを的確に理解し、出だしから終わりまで洗練されたセンスで表現する。彼がおちゃめでいても、色男であっても、二枚目でいても三枚目であっても、ヘラヘラとした安っぽいパフォーマンスには決してならないのは、根っこにそうした人間性を持っているからです。





そんな天才肌の彼とは対照的に、彼がヘラヘラ安っぽく見えてしまうのは、どの曲であっても「ナルシストに色男を意識してばかり」で、曲のニュアンスの使い分けが全く出来ていないからだ。ちなみに世界レベルではこういう勘違いパフォーマーをアマチュアと呼ぶ。


そういう事をするパフォーマーは、観客を甘く見て愚弄しているに等しい。こういう人は上っ面をシリアスに見せる事は出来ても、表現に深みが全く感じられない。見る人が視れば、賢い観客なら、それは「上っ面だけの見せ掛けのテクニック」でしかない事をちゃんと見抜いている。知らぬは本人ばかりなり。


昔の彼は融通の利かない頭で「こうせねば」を他人にも強要する様な頑固さと圧迫感を持っていた。そして今の彼は弾け感を通り越し、ヘラヘラが行き過ぎている。


ここから言える事は、彼は天才アーティストの彼の様に「自分自身で自分を最高に見せる様な演出をする事が出来ない」という事だ。何故なら自分をクールに客観視する事が出来ていない勘違いナルシストだからだ。





彼は今まで彼の事を大好きなコアなファン達に、どれだけチヤホヤと甘やかされて来たのだろうという事を私は思うけれど、全ての観客がそういう甘いファンとは限らないという事を彼は自分の為に知るべきだ。


彼がそんな過信から来る勘違いパフォーマンスをし続けて来た中で、今では自分を客観視出来る知性的な後輩の方の方が、彼よりもアーティストとしての魅力と重みと存在感が増した。歌声は勿論、容姿も含めて非常に洗練されたアーティストに変貌を遂げたと私は思う。


昔は彼に押されて弱さを感じる事も多かった同輩のアーティストの方も、私が彼らを知った頃よりエネルギッシュでパワフルになって、彼のファンの方達を更に魅了している事が感じられるし、新しいファンの方達も増えている様に私は感じる。


何故なら彼は非常にハートフルなアーティストだからだ。それは人間性から来るものだから、温かいハートを持ったファンに愛されるのだと私は思う。詰まる所、それぞれのファンも「類は友を呼ぶ」のだと私は思う。





とにかく今回のパフォーマンスは、素敵なパフォーマンスをする方達の中で、彼一人だけ浮いていた感は否めない。彼は自分を過信している様だが、良質なパフォーマンスとは「歌声さえ良ければいい」という訳ではない。


ちなみに自信家・・・否、過信家の彼のパフォーマンスは昔から非常にムラがあって、めちゃくちゃ素晴らしいと思える時もある反面、プロらしからぬ「音程を外してしまう」「声が出来切らない」という事から来る違和感や聴き心地の悪さを感じる事も正直多い。彼はそういう自分に気付いているのだろうか?


もし気付けていないのならミュージシャンとしては致命的だし、気付いているのに謙虚に改善努力しないというのならもっと問題だと思う。ちなみにそういう時、彼はいつもヘラヘラとした笑いで誤魔化す癖も改めた方が良い。


プロであるなら、他のメンバーの方達の様に真摯に努力や改善を考えるべきだ。ホストを気取っている場合ではないと私は思う。本物の実力を持たずに舞台で色男ぶっても、少なくとも私の心には全然響いて来ない。色男を気取るのにも「本業がちゃんとしてナンボの世界」だという事を肝に命じた方が良い。


以上が今回の舞台から率直に感じた、元舞台人の私の感想です。





世界各国、一流と呼ばれる上質なアーティストには「常に自分自身をクールにシビアに客観視する目を持つ」という共通点があります。


それを自身で持つ事が「自分の為のお守り」ともなるからです。自分の成長を止めない為に、物凄く大事になって来るものだと私は思います。


何故ならファンという存在は「盲目的に推しを愛するが故に、痘痕も笑くぼに見えてしまう事も多い」ですし、例え思っていても「自分の推しに嫌われない様に、本音は言わない(言えない?)もの」だからです。

(^^;(^^;(^^;(^^;;





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舞踊家(クラシックバレエ) 元プロバレリーナ

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長年プリマとして国内外で活躍。現役引退後は後進の指導とバレエ作品の振付けに専念。バレエ衣裳や頭飾りを作り続けて得たセンスを生かし、自由な発想でのオリジナルデザインの洋服や小物等を作る事と読書が趣味。著書に「人生の奥行き」(文芸社) 2003年