大澤 眞知子(カナダ留学・クリティカルシンキング専門家)- Q&A回答「1年の高校留学で達成出来ることと出来ないこと」 - 専門家プロファイル

大澤 眞知子
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大澤 眞知子

オオサワ マチコ
( カナダ留学・クリティカルシンキング専門家 )
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高校留学中のスキルアップ

スキル・資格 英語 2014/12/11 13:09

私は高校二年生でアメリカのジョージア州にスクールイヤー(10 months) の間ホストファミリー(女の子2人のホストシスター)のところに滞在します。
自分の英語のスキルに不安があります。学校の先生はとても親切で助けになってくれます。成績も良いですが、それは留学生だからと、大目に見てくれているところが多々あるからだと思います。今ちょうど1学期が終わろうとしています。ちょうど私の留学生活も半分です。先生の言っていること、生徒たちのディスカッション、授業中に見るビデオや家で見るテレビなどまだまだ聞き取れないことが多く頭に入ってきません。もとから語彙力がある方ではないので今までの私の英語の勉強を後悔しています。わからない単語は聞いても聞き取れません。本を読むのにも電子辞書を駆使して時間をかけなければ読めません。話すのもシンプルな中学生レベルの単語でどうにか繋げたレベルです。どうすれば後の5ヶ月間でスキルアップを図れるでしょうか。

ysuさん ( 北海道 / 女性 / 17歳 )

1年の高校留学で達成出来ることと出来ないこと

2014/12/11 13:47

Hi ysu さん!

アメリカで頑張ってますね。
Good for you!

短期・長期に関わらず、外国で学校に通うことは心身共に大きなストレスです。
もちろん、そのストレスに自分で対処出来る能力を身につけ、いっそうたくましく成長出来るのが留学の大きな利点ですけどね。

長年、日本の高校生・大学生がカナダ留学で成果を出すのを応援してきた経験から、また、文化心理学の見地からアドバイスを書いてみます。


留学開始当初は、周りのものすべてが珍しく、脳が前向きな反応をしてくれるものです。
ホストとの生活も、勉強も頑張れば頑張るだけ成果が出るのが見えて来ます。

外国生活の最初のステップは、よちよち歩きの子供がだんだん速く歩けるようになるようなもので、自分でも成長が確信出来るからです。

数か月経ってくると、よちよち歩きから普通の歩き方に変わります。
そのごろになると、周りの人と比べて自分の歩みが非常におぼつかないことが気になり始めます。

最初は新しく、珍しかった異文化が負担に思えて来るのもこの頃です。
極端なケースは、ひどいホームシックになったりもします。

科学に基づいたCultural Psychology の研究でも、留学生の自己評価が4~5か月目に大きく下がることが証明されています。

まるで、グラフにUの字を描いたように、最初は高かった「自分は出来る!」評価が、ど~んと途中で(4~5ヶ月目)に底に近いところまで下がります。

でも!
大丈夫。

そのあと、Uの字はまた上がって行きますね。

それと同じように、頑張りを続けていると、必ず「やっぱり自分は出来る」評価が戻って来ますよ。

___

さて、スキルアップについてです。

まず考えてほしいのは、「1年アメリカ高校留学をしよう」と思った目的は何ですか?

1年で英語の達人に変身!ではなかったのでは?

同級生たちは英語で育ち、今まで英語で教育を受け、そして何より大きなことはクリティカルシンキングの環境で考え方を磨いてきた生徒たちです。

そんな生徒たちのレベルまで、1年で追いつくのはまず不可能ですよね

追いつくためには、その同級生たちが今までに勉強してきた内容を、英語ですべてたどってみることが必要ですから。

言語だけでなく、科学も社会科も全く学習方法が違います。

例えば、年代や地名を覚える社会科ではなく、まずは「自分が誰なのか」を理解するところから始まる社会科。

周りの観察から「なぜ?」をみつけていく訓練をず~っと続ける科学など。

日本で生まれ育った高校生が、1年の英語圏留学で得るものは、残念ながら「突然レベルの上がる英語力」ではなく、そんな全く異なる言語圏の体験です。

どうして、みんな「なぜ?」から始まる会話を交わすのか。
授業中にどんどん意見を交わせるのはなぜなのか。

英語の単語力だけの問題ではないはずですよ。

ホストファミリーとの付き合い方もしかり。
日本の家族とは接し方も話し方も違うはず。

町に出ると、社会全体の観察も出来ます。
人の話の交わし方。
お互いのリスペクトの仕方など。

聞き取り能力の問題ではなく、人と人の接し方がわかってなかったのかも知れませんよ。

一体、何が違うのか、なぜ違うのかをいっぱい観察して下さい。
その観察体験を未来への選択しにつなげることが、1年間の高校留学体験で得られる大きな成果になると思います。

うまく話せなくても、丁寧に文章で。
相手の目をみながら。

聞き取れなかったら、何度でも聞き直して。

勇気をもって、アメリカの人たちの中に飛び込んで行くこと。

これが残された留学生活を大きく花開かせる秘訣だと思いますよ。

U字形をぐ~んと右上がりにしてみて下さい。

You can do it.


Good luck!

補足

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カナダの小・中・高校の教育課程を基にした指導をしています。
クリティカルシンキングの基本が出来た生徒は「カナダの小さな町での留学・ボランティア」で自分本来の能力を発揮中です。
Super World Club(大澤眞知子、Robert McMillan)
http:www.superworldclub.co.jp

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