大澤 眞知子(カナダ留学・クリティカルシンキング専門家)- Q&A回答「言語の背景にある思考法」 - 専門家プロファイル

大澤 眞知子
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子供の教育について旦那と意見違い

育児・教育 子供の教育・受験 2013/02/06 17:34

私(日本人)は中国系オーストラリア人の旦那と国際結婚です。
子供が長男4歳、次男2歳です。
現在オーストラリアに住んでいます。

私はこのまま学校もオーストラリアの学校でと思っていたのですが、
旦那は小学校は日本でと思っているようで、意見が対立してしまいました。

旦那の意見は、自分も高校留学から英語圏に行って、今では現地の人と変わらずに英語も話せる上に、仕事も立ち上げました。英語は語学の中で一番勉強しやすい語だから、それよりも日本語を先に勉強した方が先だというのです。
日本語は漢字、カタカナ、ひらがなとあるのでしっかり読み書きできたほうがいいと。
でも私は、せっかく英語圏にいるんだから、小さいときから英語圏の学校にいるほうが、発音やアクセントも綺麗に話せるんじゃないかと思うんです。
日本語は私が教えるか、週に1回の補修校に行って補えばいいかと思っているのですが、それくらいでは日本語習得は難しいでしょうか?

旦那は英語は話せますが、自分が英語がすごく得意なほうではないので、子供には英語英語・・・と思ってしまうのですが・・・。旦那の意見のほうが正しいのでしょうか。

もし小学校を日本で過ごして、中学からオーストラリアに行くと大変でしょうか?

ずっと意見が対立して結論がでません。
旦那の仕事の場所に関わらず、子供のことだけを考えた場合でアドバイスいただけたらと思います。

よろしくお願い致します。

バブルティーさん ( 滋賀県 / 女性 / 33歳 )

言語の背景にある思考法

2013/02/06 19:11

お母さんが日本語、お父さんが中国語母国語ですか。 そして居住環境が英語圏ですね。
子供さんの脳の発達にとって非常に刺激的な環境だと思います。 

今回のご質問に対しては、単なる言語だけの問題ではなく(バイリンガルに育てるかどうかなどではなく)、その言語の背景にある思考方法を同時に考慮することが大切だと考えます。 

1) 英語圏の学校に通う=世界での標準思考方法Critical Thinking の基盤が出来ます。 英語で教育を受けるということは、英語言語能力だけでなく、その言語の根本的な成り立ちである思考方法の訓練を受けることになります。 将来、子供さんが英語圏の大学教育を受け、英語言語を主な言語として仕事をすることをお望みなら、これが最適な教育方法だと思います。

2) 日本の教育制度は、ご存じのとおり、未だに「丸暗記中心」「答えのある問題の解決法」の覚え方を教えることを続けています。 集団に従い、「なぜ」を考えることなく、みんなと同じ行動をすることを、日本語言語とともに身に付けていきます。 将来そんな集団主義の日本の中で、ネットワークを構築する仕事を必要とするなら、日本の学校に通うという選択肢にも意義があるかも知れません。

3) 中国での教育は選択肢にはないようですが、2番と同じく、子供さんにとって、将来強烈な中国の人的ネットワークが必要であるならば、中国で教育をし中国語のNative Speaker に育てるのもひとつの選択肢だと思えます。

2か国の学校を行ったり来たりすることには(長期の休みを利用した体験などは別ですが)、マイナスの効果が出る危惧があります。 Semiligualism と言って、どちらの言語でも自分を十分に表現出来ないマイナスの結果が出ることが科学的研究で証明されています。 
バイリンガルならぬ、セミ、つまり両方の言語とも半人前ということです。 私自身も実際の事例を何人も目にし、非常にかわいそうに思っています。 どちらの言語も半人前の大人になってしまうと、子供の脳が行うような完璧な言語習得がほぼ不可能ですので、仕事も日常生活面でもかなりの苦労を強いられ、すべてに自信を失ってしまいます。

どの国の教育制度が子供さんの合っているのか、どんな思考方法で考える大人に育てたいのかで、ご夫婦で一番いい選択をしてあげて下さい。

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