初めまして、つくばオーラルケアクリニックの飯田です。
　この度は外傷により歯が大きく欠けてしまったとのこと、保護者の方におかれましてはご心配のことと思います。歯根だけでも無事だったことは不幸中の幸いでした。

　さて、欠けた歯の破片を使って歯の破折（はせつ）を修復する方法ですが、一部の歯科医師が機転をきかせてそのような方法で修復しているのは存じておりますが、これは正式な方法ではありません。

　健康保険においては、そのような修復方法自体が存在しないのです（健康保険で認められた歯の治療法ではなく、適応がないのです。）。したがってその修復方法の良し悪しは別として、患者さんがお望みの場合は保険外の自費治療となります。

　さらに申し上げれば、欠け方や噛み合わせによっては、接着剤ではプラスチックよりも断面がしっかりくっつかない可能性もあります。少なくとも歯科大学で学生にレクチャーしたり、教科書に掲載されている方法ではありませんので、担当医の先生の治療方針は誤ってはいないと思いますよ。

　余談になりますが、欠けるぐらい強打した歯は、打撲により歯の神経＝歯髄が死んでしまうことがあります。欠けた直後の診察時に大丈夫でも、ぶつけたダメージにより数週間してから死んでいることが発覚する場合もあります。そのため歯が変色してこないか１～２か月くらいは観察が必要です。お大事になさってください。

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