飯田 裕
イイダ ユタカ歯の状態について
心と体・医療健康 一般歯科・歯の治療 2013/08/05 00:23こんばんは。
お世話になります。
3日ほど前になるのですが、ふと気付くと上前歯4本あたりに熱を持ったような鈍痛がありました。
特定の歯ではなく、じわっと全体が痛い感覚でしたが、激痛というほどでもなく、普通に食事も睡眠も取れたので、様子を見ることにしました。
しかし翌日、温かいものを食べた時に熱を持ったような鈍痛が強くなり、怖くなって食べるのをやめました。
さらに翌日になると、上前歯の右側2本目の歯だけに違和感のような痛みがあり、他の歯の熱を持ったような痛みは収まりました。
そのまたさらに翌日(今日)にようやく歯医者に行き、症状を説明したところ、コツコツと前歯を順番に叩かれ、問題の歯に当たった瞬間激痛が走りました。
すぐにレントゲンを撮っていただいたのですが、10年以上昔の治療痕はあるものの神経は残っており、レントゲンで見る限りは膿もなく、表面上は問題になるような虫歯もない状態でした。(治療痕の周辺は黒ずんでました)
最近特別硬いものを食べたりぶつけた心当たりもありませんし、歯軋りや食いしばりの可能性も低いと言われ(問題の歯には、下の歯が当たりません)痛み止めをお守り代わりにと処方していただき経過観察となりました。
次の診察が一週間後ということと、まだ痛み止めは飲んでませんが、今も鈍痛が続いており、舌や上唇が当たると痛みが強くなるため明らかに症状が酷くなっている気がしていること、さらに今までにない痛み方というのが不安です。
長くなってしまいましたが本題です。
これらの症状と経過を読んでいただいて、神経が菌にやられてしまっている可能性は高いのでしょうか。
また、その場合どんな治療法がありますでしょうか。
できれば抜歯も神経を抜くこともしたくありません…
(上前歯の左側2本目の歯は昔神経を抜いているので、これ以上抜きたくないのです)
あと、次の診察までに進行を遅らせる方法などあれば教えていただけますでしょうか。
よろしくお願いします。
秋生さん ( 東京都 / 女性 / 31歳 )
おそらくは根尖性歯周炎だと思われます。
以前に治療歴のある歯で、熱感と鈍痛があり、「叩くと響いて痛い」ということであれば、おそらくは根尖性歯周炎(=根の周囲が炎症を起こしている状態)と思われます。押したり、叩いたりして根っこの方向に負荷が加わると、かなり痛む状態であれば間違いありません。
根尖性歯周炎の場合、歯髄(いわゆる歯の神経)は腐って死んでいるはずです。歯の内部をバイ菌が進んで、根の先から周囲の組織を侵し始めると上記のような症状となります。根の周囲に膿が溜まったりすればレントゲン写真でも確認できますが、初期の段階ではわずかな変化がうまく写らない場合もございます。
逆に申し上げれば、根の周囲が化膿しているのに、内部の歯髄が健全な状態というのはありえないシチュエーションですので、神経が菌にやられている可能性は高いと思われます。
従って治療法としては、バイ菌が原因で炎症を起こしているはずなので、抗生剤(化膿止め)である程度バイ菌をやっつけて炎症を抑えたのち、死んでいる歯髄を取り除いて根の内部を消毒・洗浄する(=根管治療)が必要です。
近頃はテレビなどの影響なのか「歯の神経を抜きたくない」とおっしゃる患者さんが多くおられますが、我々の立場からすると、歯髄を取り除く処置はかなり面倒なので(失礼!)、できれば避けたいのが本音です。元々私たち歯科医師は、必要のない治療を患者さんに勧めたり、保存できる神経や歯を無意味に抜くことはないはずです。
また、ちゃんとした歯科医師が根管治療を行えば、神経を抜いても実生活上で何ら不都合・不快感はないはずで、仮に神経を抜くことになったとしても、過剰に心配なさる必要はないと思いますよ。お大事になさいませ。
つくばオーラルケアクリニック http://www.tsukuba-occ.com/
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