畔柳 美知子(建築家)- Q&A回答「外壁や窓の役割」 - 専門家プロファイル

畔柳 美知子
時の変化を受け入れる揺るがない空間を

畔柳 美知子

クロヤナギ ミチコ
( 東京都 / 建築家 )
スタジオドゥカ建築設計室 管理建築士
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窓サッシのコーキング

住宅・不動産 住宅設計・構造 2020/07/03 09:28

はめ殺しの窓について質問です。
1階にある窓なんですが、床面とつらいちで、アルミサッシと床が接しています。
床はタイル敷きなのでアルミサッシとの隙間には目地がありました、建築当初はあったと
思います、建築後10年近く経ち、最近気づいたのですが、目地が抜け落ち隙間から外が見えるんですが
こんな事は10年すれば起こることなんでしょか?
外側から見るとアルミサッシと外壁には隙間があり、コーキングとかはされていませんでした。
あとサッシに何本かネジがあるんですが、それも引き抜けるどこにも止まってないんです、
穴が目立たない様に置いた(刺した)だけ、サッシのネジってそんな感じで大丈夫なんですか?
建築家の方に設計監理をお願いして建てました。

tomo_r3さん ( 神奈川県 / 男性 / 47歳 )

外壁や窓の役割

2020/07/03 12:08
( 5 .0)

一級建築士事務所スタジオドゥカの畔柳です。

外壁や窓の第一義的な役割は、屋内と屋外を隔てることだと思います。

ですので、窓周りの目地らしき部分が隙間として存在し、そこから外が見えるというのでは、外気と屋内が通じている状態ですので、その一番重要な役割が欠落している状態と言えると思います。

修理が必要な状態です。

その修理が必要な部分が、新築当時から存在したのか、10年という年月を経た末にこうなったのかは、私にはわかりません。もともと欠陥があったのか、経年変化によるものかも、今ここに記述された内容から推し量ることもできません。

建築家が設計及び施工監理をしたということですね。

その建築家が業務として設計及び工事監理を行なっていたのでしたら、普通に業務を行なっている建築家でしたら、少なくとも、竣工当時がどうであったか、そして、竣工後1年が経過した状態についての建物の状態などを把握しているのではないかと思います。

もちろん、tomo_r3さんがその建築家と交わした設計及び監理に関する契約内容によります。

その建築家の方や施工者から、詳細な図面等が施主に渡されていますでしょうか。詳細な図面等がない場合、専門家に「普通これです」と言われてしまうと、素人の施主の方は反論ができなくなることもしばしば。なので、このようなネットの相談を利用されるのでしょう。

本来、その施主を代表する立場にいるのが建築家なのですが、契約状況によっては、その業務を委託されていないという場合もあるかもしれません。特に、建築家が施主ではなく施工者から業務を委託されているような場合、施主の立場に立たない建築家がいる可能性もあります。

ということを念頭に、その建築家の方に現状を見せ、窓や外壁が本来の役割をきちんと果たすようにするための方策をご相談ください。

特に、窓サッシに関しましては、大きさにもよるのですが、もし、ビスなどが抜けるような状態ですと、強風の折などにサッシ自体が風に耐えられずに事故が起きる可能性も否めません。早めにご相談になることをお勧めします。

建築家に設計施工監理を発注して建てた建物の修理について、ここでご相談になるということは、その建築家を信頼できない、また工事をした施工者も信用できない、という意思の表れかもしれないことが想像できます。その場合、新たに専門家を探し、業務としてご相談になる必要があるかもしれません。

評価・お礼

tomo_r3 さん

2020/07/03 14:22

とても丁寧な回答有難うございます。
施工監理を建築家の方にお願いをして、建築家の方の選定した工務店で建てたのですが、
工務店が数年前に倒産してしまい、工務店が居ない状態なんです、そこで建築家さんに
その現状を伝えたのですが、あまり良いアドバイスが得られず、こちらで相談させて頂いた
しだいです。一つ質問なんですが、建築家の方は建てた後は点検とかに訪れる事は無いもの
なのですか?その建築家の方は10年間一度も現状の様子を伺うとかがないもので、そう言う
ものなのかと思っているのですが。

畔柳 美知子

2020/07/03 14:43

当社の場合は、設計及び工事監理をした建物に関しては、竣工一年後に一年点検として、施工者と一緒に点検します。点検の際には、施主側を代表する形で、一年住んだ建物(春夏秋冬を経験した建物)の不具合などを含めて点検し、補修の箇所などを施工者に指示するとともに、その補修が無償保証なのか、有償案件(施主の都合で変更を求まられた場合、あるいは、施主が破損した場合など)なのかなどを施主、施工者ともに協議し決定します。本来、建築士/建築家の業務はそういう形で行うものだと思っています。

こういう形で業務を行なっておりますので、当社の場合は、建物の不具合や補修、改築などの相談は、施工者ではなく、設計者である当社に来ますので、建物とは長く付き合っています。

一年点検の後の補修、改造、改築などに関しては、その内容、規模にもよりますが、新たに設計・監理業務委託料をいただくことになります。

この設計・監理委託料を支払いたくないという理由で施工者に直接工事などを依頼する場合もあるかもしれませんが、その場合は、施主の方が、直接施工者と交渉する、ということになると思います。

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