柴田 博壽(税理士)- Q&A回答「会社役員は会社業務との競合行為が禁止されています。」 - 専門家プロファイル

柴田 博壽
親身になってあなたの悩みにお応えします。

柴田 博壽

シバタ ヒロヒサ
( 東京都 / 税理士 )
所長
Q&A回答への評価:
4.7/201件
サービス:0件
Q&A:480件
コラム:2件
写真:0件
お気軽にお問い合わせください
03-6425-7440
※お電話の際は「"プロファイル"を見た」とお伝え下さい。
印刷画面へ
専門家への個別相談、仕事の依頼、見積の請求などは、こちらからお気軽にお問い合わせください。
問い合わせ
専門家への取材依頼、執筆や講演の依頼などは、こちらからお問い合わせください。
取材の依頼

法人から代表者自身への外注

法人・ビジネス 会計・経理 2014/10/18 18:00

はじめて質問させていただきます。
個人事業主(青色申告、売上700〜800万)でソフトウェア業をやっております。
取引先から4月からは法人としか取引しないと言われ、4月1日までに自分一人だけの株式会社を設立します。
取引先とはこの法人で契約し、法人から自分自身(個人事業主)へ外注費として発注しようと思っています。
法人の経理は受注したものを外注に出すだけで簡単になり、自分自身はこれまで通り作業し、経費は個人事業主で計上して、これまでとほぼ同じ個人の確定申告を行おうと思っています。
この取引先との契約は3ヶ月程度で終わるかもしれないこと、再び個人事業主としてほとんどの仕事を受ける可能性があること、4月以降も個人での仕事の契約が小額ながら他であること等のため、個人を廃業することはできないと考えています。
一人の法人がその代表者へ外注することは法的に問題は無いでしょうか? また、法人では外注費は源泉徴収する必要はないと考えておりますが、よいでしょうか?
何卒よろしくお願い致します。


※この質問は、ユーザーの方から事前にいただいたものを、専門家プロファイル が編集して掲載しています。

SEさん ( 神奈川県 / 男性 / 46歳 )

会社役員は会社業務との競合行為が禁止されています。

2014/10/22 16:55

 柴田博壽税理士事務所です。
 お答えします。 
 取締役は、自己又は第三者の計算において、会社が行う事業と競合し、会社と取締役との間で利益が衝突する可能性のある営利的・商業的性格を有する取引(これを競業行為と言います。)を原則として行ってはならない、との義務を負っています(会社法356条1項1号・365条)。
 会社の取締役は、会社の業務執行の対価として通常、役員報酬を得ることで足りるでしょうし、会社の利潤の追求に専念しなければならないことを考えると会社が行なう事業と同一の事業を行なうことで結果的に会社の売上金額を減少させたり(個人事業主)、会社の利潤を減少させる(外注費支払)ことがあってはならないでしょう。
 このことについて、質問者様が仮に「損害賠償を唱える人が社内には存在しないから罰則(会社法976条23号)の適用はない。」と思われているとしたら、少々ご注意が必要です。
 従前の商法にも同様に「競業避止義務」規定が設けられていていましたが、税務当局は、競業禁止規定を奇貨として会社業務の一部を役員が切り分けて個人申告しているような場合、会社の所得と認定する場合もあり、程度によっては法人税と所得税(認定賞与課税)の両方の非違が問われる場合があろうかと思います。
 よって、法人成りした以上は、仮に質問者様名義で受注を受けたとしても帳簿記載上は、法人の収益とするべきでしょう。

プロフィール評価・口コミ対応業務経歴・実績連絡先・アクセスQ&Aコラム