私は、競争が激しく、仕事の内容や役割に明確な優劣の序列がある職場に勤めています。
仕事は単発的で不定期。何かの仕事が入ると、上司の判断で仕事が割り振られます。
社員はなんとか「おいしい」仕事にありつけるためにアピールしますが、ありつける人は限られています。
だいたい、若い人（体力のある人）、優秀な人から選ばれていきます。効率を重要視するのです。
逆に、体力のないものやとろい者、消極的な者は脱落し、誰でもできるような雑務をやらされます。
私には、おなかを空かせたオオカミが少ない餌を取り合っているように見えます。
社員はみな、誰がどんな仕事にふさわしいか、不当な配分はないか、目を光らせて監視しています。
そのため、嫉妬や失望、不満が渦巻いています。どんな職場でもそのような一面はあるでしょうが、私の職場ではそれが毎日毎日行われます。
強い人が多くの配分を取る。そんな世界。多くの人がハングリーでいます。ごくわずかな強者が思い通りに餌を配分するのです。
本当に満たされて仕事をしている人はこの会社にどれだけいるんだろうか？（そんな環境を楽しんでいる人がほとんどでしょうが）そんな冷めた目で見てしまいます。
数年前、私が新入社員の頃、純粋にいろんな仕事をやってみたかったし、気兼ねなく手を挙げ、若いのもあって当時の上司にいろいろな仕事を任されました。それなりに成果を出し（たと思います）、楽しく打ち込んでいました。
しかし、その無邪気な挑戦が、周りからは上昇志向の激しい傲慢な野心家に見えたのでしょうか。
「何でも一番にならないと気が済まないんだね」などと言われ、
ひどく恥ずかしく、傷つきました。私は出世したいわけではありませんでした。ただ自分の仕事に打ち込みたいだけでした。
その風評が苦しく、仕事が舞い込んできた時に手を挙げるのをためらってしまうようになりました。
浅ましくなりたくない、嫌われたくないという一心でした
そうしているうちに、本当に臆病になってしまいました。
この職場では、そうした態度をとっているとすぐに淘汰されます。
今では、周りの人に「お前ごときがやれると思っているのか」という風に見られる気がして、気後れして手を挙げることができません。