はじめましてアレス動物医療センターの沖田と申します。

　実際は診てみないとなんともとは思うのですが、文面からの想像で書かせていただきます。
　参考程度にお考えください。

　通常8歳くらいの年齢でしたら、心臓や血液検査（腎臓、肝臓などの数値）に異常がなく、ベスト体重であれば（痩せ過ぎでも太りすぎでもなければ）、去勢手術くらいの短時間の麻酔ではあまり大きなリスクの差はないと思います。

　ただ、エイズに関してはたしかに、絶対大丈夫という保証はないため、その去勢手術の意味が何であるか、それはほんとうに必要なのか、という部分が重要かと思われます。

　犬の男の子であれば、前立腺肥大の予防、あるいは治療としての去勢手術が考えられますが、猫の去勢となると、スプレー行動などの問題行動防止や、同居猫との交尾防止ということになるでしょうか。

　同居猫との交尾防止というと、メスのほうを避妊できるのであれば、そちらのほうが良い気はするのですが、スプレー行動に困ってという場合はおうちの事情上避けては通れないというのであれば、リスクを覚悟でやらざるをえないのかもしれません。

　私自身は、交通事故の患者さんなどで、エイズウイルス陽性の猫の手術などを過去に何例かしたことがありますが、今のところはそれをきっかけに明らかな発症を見たという経験はありません。
ただ、これに関してはやはり絶対の保証があるわけではないので、去勢をする必要性とリスクを秤にかけるしかないのかもしれません。