沖田 将人(獣医)- Q&A回答「腹部のしこりについて」 - 専門家プロファイル

沖田 将人
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沖田 将人

オキダ マサト
( 富山県 / 獣医 )
アレス動物医療センター センター長
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腹部のしこり

人生・ライフスタイル ペットの医療・健康 2012/03/04 14:00

お世話になります。

今年10歳になる愛犬の腹部に2センチ程の柔らかいしこりがあるのを去年に気づき、直ぐにいつも診て貰っている動物病院で調べて貰いました。
バイオプシーという検査でしたが、結果「癌なのか脂肪なのか良く分かりません。心配なら除去手術をしましょう。」と言われました。
その頃嘔吐が2日に1回ほどありましたが、いつもご飯前の時間だったので空腹が原因かもと言うことで、ご飯を分けて回数を増やしたことでしだいに無くなり、それ以外は食欲旺盛で何より元気だし(体重も一定)手術の危険性を心配して、急に大きくなるようだったらと家族で相談して見送りました。

今年に入ってそのしこりがはっきり分かるぐらいに大きくなったような気がするので、血液検査を兼ねて今日又診て貰いました。
触診して大きさは変わってない事、血液検査で結果が出ない事を言われた上で、手術するのだったら歯石除去も出来ますよと、勧められています。

食欲は相変わらず旺盛で散歩も時間になったら待っているぐらい元気ですし、見た感じしこり以外は何も変わりません。(心配するほどでは無いぐらいですが少し嘔吐あり)
しこりが何なのか結果が出ない状態で手術をした方が良いのかどうか、又手術をしきりに勧められている事(ついでに歯石除去も出来ますよと去年も今年も勧められています。)に戸惑いを感じ手術の危険性も考えて悩んでいます。

診察していただいている訳ではないので答えに難しいとは思いますが、このまま手術をした方が良いのか、もしくは病院を変えてもう一度検査した方が良いのか、専門家の方のご意見をいただければ幸いです。

wankokkoさん ( 兵庫県 / 女性 / 38歳 )

腹部のしこりについて

2012/03/05 00:00
( 5 .0)

 はじめまして、アレス動物医療センターの沖田と申します。

 歯石除去を一緒にすべきかどうかは別として(どの程度のものかもネット上ではわかりませんし)、2cmの腫瘤は手術したほうがよいのではないでしょうか。
 人間もそうですが、腫瘍は必ずしも痛みは伴わず、基本的にはどこか大切な臓器に転移しない限りは、元気も食欲もあります。
 そういう意味では、元気や食欲がなくなったころにはどこかに転移してしまった後であり、そのころにはもう手遅れとなっています。

 手術をするならば今、という気がします。
 もちろん血液検査で全身麻酔に耐えうる状態であること、レントゲン検査で肺転移などが認められないことなどの事前の検査をクリアしてからとは思います。
 ただ悪性ならば少しでも早く取ってあげたほうが良いですし、良性ならばはっきりさせて後顧の憂いを断つのが良いのではないでしょうか。
 何もせず後に後悔するよりは、早め早めの対応がよいのではと思います。

 一度他院で検査を受け、セカンドオピニオンとしての意見を聞いてみることもよいとは思いますが、手術以外の検査となると、やはり前回同様注射器によるバイオプシーでの検査になると思われます。
 この検査は麻酔が必要ないというメリットがあり、その代わり必ずしも重要な病変部を調べられるとは限らないというデメリットがあります。
 もしかしたら、同じような検査結果、意見になるかもしれませんが、全身麻酔という大きな決断のために、他の先生の意見を聞いてみるということはけして悪いことではないと思います。

 あくまで仮定の話ですが、もし同様の患者さんが目の前に現れたら、血液検査、レントゲンに異常がなければ、おそらく私も腫瘤摘出はお勧めするのではないかと思います。

評価・お礼

wankokko さん

2012/03/05 01:00

早々とご回答をいただき、有難うございます。
私も愛犬の年齢と体力を考えたらもう後はないと思い、自分でもネットで調べてみたのですが、どこにもバイオプシー検査のデメリットについては書かれて無く、検査の結果が曖昧なことに不信感を持っていました。
(去年母が亡くなる前の手術に色々と問題があったので、特に神経質になっていたのかもしれません。)
でも分かり易い説明と先生の仮定のお話を読んで安心しました。
家族ともう一度相談の上、手術を考慮してみます。
有難うございました!!

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