岸井 幸生(公認会計士・税理士)- Q&A回答「Re:競業の範囲に入るでしょうか?」 - 専門家プロファイル

岸井 幸生
社外から会社のビジネスを支えるプロ社外役員

岸井 幸生

キシイ サチオ
( 東京都 / 公認会計士・税理士 )
LBA会計事務所 代表
Q&A回答への評価:
5.0/13件
サービス:0件
Q&A:25件
コラム:175件
写真:3件
お気軽にお問い合わせください
03-6272-6771
※お電話の際は「"プロファイル"を見た」とお伝え下さい。
印刷画面へ
専門家への個別相談、仕事の依頼、見積の請求などは、こちらからお気軽にお問い合わせください。
問い合わせ
専門家への取材依頼、執筆や講演の依頼などは、こちらからお問い合わせください。
取材の依頼

競業の範囲に入るでしょうか?

キャリア・仕事 労働問題・仕事の法律 2011/10/23 18:30

今年の春にソフトウェア開発販売保守をしている会社を退職しました。
在職時は、ソフトウェア導入時の操作説明や導入後の保守を行っており、
役職もついておりました。
引き止められたくなかったこと、正々堂々とやりたいということから、
独立したいという理由を伝え退職し、
それに伴って退職日前に誓約書にサインしました。
現時点では、個人事業主として開業届けを出しています。

誓約書の内容は、退職後の秘密保持・競業避止業務についてです。
秘密保持については、設備・システム情報・技術上の情報・知的財産に関する情報、製品開発の企画・技術資料・製造原価・価格等に関する情報、社員情報・財務情報、他社との業務提携や技術提携等の企業戦略上重要な情報、顧客情報、その他秘密保持するべきと判断される情報を、退職後も利用または第三者へ開示漏洩しないというもの。
競業避止業務については、競業関係にある事業に就く場合、退職後3年は許可なく、これまでの顧客への営業と取引を行わないというものです。
地域の指定はありません。代償になるのかわかりませんが、役職手当は小額がついており、退職金は給料の1ヶ月分程度でした。また、特別手当(有給分を買い取る形で)として退職月の給料に少し上乗せされておりました。

これらを違反した場合には、刑事責任を問われることと被った被害の賠償をする責任があるとのことです。

現在、これまでの顧客であり、プライベートでも連絡をとりあっている企業の方から、自分の会社で働いてほしいと頼まれております。
月に10日前後で導入してあるソフトウェアの操作をし、業務を行ってほしいという依頼です。
急に社員が辞めてしまい、困っているようですし、お受けする方向で考えています。

前の会社ではソフトウェアの導入や保守は行っていますが、
人材を派遣するということは行っていないのですが、
これは、競業の範囲になるのでしょうか?

競業の範囲だったとしても、私から営業を行ったものではありませんが、
契約書を交わし作業した場合、賠償を行う義務があるのでしょうか?

補足

2011/10/23 18:30

また、その企業の方からは、こちらから依頼しているものなので、わたしに不都合がないようにしたいと言って頂いております。
契約書を交わして、何かあった場合には、企業の方から依頼があったことなどを証言していただけるようにしたいのですが、そういうことは可能なのでしょうか?

バッファローさん ( 埼玉県 / 男性 / 24歳 )

岸井 幸生 専門家

岸井 幸生
公認会計士

- good

Re:競業の範囲に入るでしょうか?

2011/11/01 16:22

バッファロー様

公認会計士・税理士の岸井と申します。
まずは、独立おめでとうございます!
今回の件に限らず、独立するとひとつひとつの判断が難しく、悩む機会が増えます。
バッファロー様の周り(専門家に限らず)をうまく利用して乗り越えていってください。

さて、ご質問の件、実物を見ていない以上、「誓約書」の法的な判断はできませんが、
趣旨を簡単に言うと、「うちのお客さんや仕事を勝手に引っこ抜くな」ということです。

バッファローさんが依頼された仕事は、前の会社がフォローしきれない部分の仕事でしょうし、
何より、前の会社にとっても大切なお客さん側からバッファローさんに依頼しているのですから、
仕事を引っこ抜くなという「誓約書」の趣旨からは外れます。
また、バッファローさんがその仕事を請けたことによって、前の会社が損害を受けることはありませんから、
実際は賠償もないと思います。(本当に損害がないのかは慎重に調べる必要があります。)

とはいえ、前の会社に何の連絡もなく仕事を請けることは絶対にやめるべきです。
お世話になった前の会社の関連で仕事がもらえるのですから、
「義理立て」というか「仁義」というか、筋を通すべきです。
誓約書に「許可なく~行わない」という文言がありますから、その点でも有効です。

こういった問題の多くは、実際には大したことでなくても、感情的にもつれてしまって係争になります。
そうなると、バッファローさんや前の会社はもちろんのこと、一番被害を受けるのは信頼して依頼してくれたお客さんです。

どういう反応があるか心配しながらスタートするよりも、その部分をクリアにしてからの方が、お客さんも気分が良いものです。

(バッファローさんが辞めた経緯にもよりますが、)前の会社もバッファローさんと別の立ち位置で、また一緒に仕事ができることは喜ばしいことだと思ってくれるのではないでしょうか。

見当違いの回答でしたらお見捨て置きください。

プロフィール評価・口コミ対応業務経歴・実績連絡先・アクセスQ&Aコラム写真