社長の責任について
キャリア・仕事 労働問題・仕事の法律 2009/02/06 14:011年半前に営業を辞めて、現在休眠状態の株式会社です。
最近、会社に債務(約220万円)があることが分かりました。
その債務は、借主:会社 保証人:取締役B となっています。
役員は3名で下記のようになります。
A:代表取締役 持ち株0% Bに頼まれ形式だけ(報酬なし)
B:取締役 持ち株100% 実質経営者(現在行方不明)
C:取締役 持ち株0% Bに頼まれ形式だけ(報酬なし)
現在、会社の資産はありません。登記は残ったままです。
その債務は、2年間は毎月きちんと支払っていたようですが、
徐々に滞り、今では完全に止まったらしいのです。
その後、実質経営者で保証人であるBが行方不明になりました。
それで、Aの元に請求がきましたが、債権者はA個人にではなく、あくまでも会社への請求であると言っております。
しかし、会社としては払うお金はありません。
そこでお聞きしたいのは、
会社からは回収できないと分かると、債権者は、代表者A個人に請求することはできるのでしょうか?
その場合、払わなければいけないのでしょうか?
どうぞよろしくお願いします。
ミカミカさん ( 福岡県 / 女性 / 43歳 )
会社の債務と取締役の責任について
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ミカミカさん、こんにちは。
弁護士の水嶋一途です。
ご質問の件ですが、株式会社と取締役個人は法的には別個の存在です。
したがって、株式会社が取引先等の第三者に対して負っている債務について、その会社の取締役であるからといって取締役個人がその債務を負うことはありません。
取締役が会社の債務を負うのは次のような場合に限られます。
1.取締役が会社の債務を保証(連帯保証)している場合
2.取締役の職務執行について悪意又は重過失がある場合にこれによって第三者に損害が生じた場合
ミカミカさんのご質問のケースでは、代表取締役のAさんが個人的に責任を負わなければいけないのは2の場合で、債権者から取締役としてのAさん個人の責任を追及されたときでしょう。
単に会社の債務の支払いを請求されている限りは、Aさんは個人の財産から債権者に支払う法的義務はありません。
ただし、形式だけの代表取締役であったとしてもAさんは代表取締役としての法的な責任を免れるものではないということを留意していただきたいと思います。
少しでもミカミカさんのご参考になれば幸いです。
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評価・お礼
ミカミカ さん
本当にありがとうございました。