三森 敏明
ミツモリ トシアキ過払い金の請求について
暮らしと法律 民事家事・生活トラブル 2009/11/08 00:00十数年前、亡くなった父が大小複数の消費者金融に借金をしていました。
支払い途中で亡くなった為、残金の支払いは無くなりましたが、存命中に支払った分についての過払い金の請求は可能なのでしょうか。
この場合、代理請求となるかと思いますが、代理請求の可否・代理請求時のメリット・デメリット有無等ありますでしょうか。
また、既に倒産してしまった企業からの返金は無理という解釈でよろしいのでしょうか。
ぱたろうさん ( 東京都 / 女性 / 38歳 )
過払い金の請求は、たぶん無理だと思います。
事情がよくわからないので、次の説明はあくまで可能性になります。
納得できない場合には、お近くの弁護士会か法テラスの法律相談で相談してみてください。
まず、父親の過払い金を請求する、というのは、父が有していた過払い金請求債権を相続人が相続し、相続人という立場で消費者金融業者に対して請求する、ということを意味します。
よって、父に代わっての、「代理請求」というものではありません。あくまで、相続人が相続した固有の権利として消費者金融業者に対して請求することになります。
「10数年前になくなったため、残金の支払いは無くなりました」というのが、相続人が相続放棄をしたということであれば、父親の過払金請求権も相続放棄により相続できませんので、結局、相続人が過払い金を請求することはできません。
また、「十数年前」に父が亡くなっているので、過払い金請求権(不当利得返還請求権)の消滅時効の10年間が経過したことにより、過払い金請求権が消滅時効により今は存在しない可能性が極めて高いと思います。
つまり、既に、消費者金融業者に対する父の過払い金請求権は、消滅時効の完成により既に消滅していると考えられます。
そして、既に倒産してしまった企業からの返金は無理です。
なぜなら、過払い金債務を負担していた会社が存在しないから、請求すべき相手方がいないことになるからです(会社は破産すると、法人としては消滅することになります。つまり、会社も死ぬのです)。