三森 敏明(弁護士)- Q&A回答「多分、払わずなくてもいいのではないでしょうか。」 - 専門家プロファイル

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ミツモリ トシアキ
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研修費用の返還義務はあるのでしょうか

キャリア・仕事 労働問題・仕事の法律 2006/11/15 16:14

一年以上アルバイトとして働いている会社なのですが、今退社を考えています。
入社前に研修が三ヶ月あり、その間は無給でした。
入社時に誓約書を渡されて、内容が、
・一年未満で自己都合により退職する場合は研修費用63万円を全額を一括返済する
・二年未満で自己都合により退職する場合は研修費用63万円の半額を一括返済する
というものでした。
内容に納得できなかったので、誓約書は渡していません。
自分なりに調べてみた所、この誓約書は無効になると思っているのですが、、渡していないとはいえこの誓約書が気になり退職の話ができない状況です。
この研修費用には返済義務が生じてくるのでしょか。

みなみかえるさん ( 神奈川県 / 女性 / 30歳 )

多分、払わずなくてもいいのではないでしょうか。

2006/11/16 21:33
( 5 .0)

 みなみかえるさん、こんにちは、弁護士の三森敏明です。
 最近、研修終了後まもなく退社する場合には研修費用を返還するという合意書を交わす例が増えたと聞きます。たしか、国家公務員(キャリア)や一部上場企業が海外研修後すぐに退職した場合には、研修費の一部ないし全額の返還を求めることにしたというニュースを聞いたことがあります。これは、従業員ないし公務員の本来自由であるべき退職の自由を拘束する反面,資金ないし税金を投下した経営者ないし国の利益とをどの程度調和させるか、という観点から、研修費用の返還の是非が問題になると思います。つまり、研修費の返還義務を課す期間が長期に渡れば公序良俗に反することになり当該合意は無効(民法90条)となるでしょうし、研修の内容そのものから少なくとも研修を受ける意思を表明した以上はその成果を発揮して企業ないし国に利益を与えるために相当な期間に研修を受講した従業員ないし公務員自身が辞職した場合にはその費用を返還されることもやむを得ないと考えられる期間であれば研修費用を返還させる合意も不合理ではない、ということになると思います。
 本件では、無給の研修期間であったこと、アルバイトに対する研修であること、研修そのものも3ヶ月で終了する程度のものであることなどからすれば、研修費の返還義務を課す期間が1年ないし2年というのは、少し長いと思います。また、誓約書を差し入れずに1年経過しても会社は問題視していないことからも、会社との返還合意がないとも言えそうです。よって、私は、多分、研修費は返還しなくてもいいと考えます(ただ、詳細な事情が分からない上での回答ですので、間違っているおそれもあります)。
 
 

評価・お礼

みなみかえる さん

早速のお返事で大変ありがたく思っています。
今、今までで退社した従業員の方達にも色々会社を退職した時の状況を聞いています。
退職に向けて問題が生じてきたら是非ご相談に乗っていただきたいです。
ありがとうございました。

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