小川 高
オガワ タカシ生体認証(バイオメトリクス)の比較(1)
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皆さんはバイオメトリクスといえば何を思い浮かべますか?
そのバイオメトリクスについてどんな印象持っていますか?
ひとくちに「バイオメトリクス」と言っても数多くの種類が研究されており、例を挙げると指紋、虹彩、サイン、顔、声紋、耳、静脈などがあります。それぞれのバイオメトリクスは一長一短があり、単純に優劣をつけることは難しいです。
それではバイオメトリクスにおいて重要なことは何でしょうか?
私は以下の5つを挙げたいと思います。
ひとつめは、人の生体情報を取得したときに、バイオメトリクスの類似度が低いことです。ひとそれぞれの情報は類似度が高くなればなるほど、本人かどうかを識別することが曖昧になってしまいます。人により特徴の出やすいバイオメトリクスは、それだけで大きなメリットがあります。
ふたつめは、偽造がされにくいことです。バイオメトリクスは人により固有の情報であるため、セキュリティ設備などに利用されることを主目的としますが、もし偽造が容易であれば、逆にセキュリティを低くしてしまいます。
三つ目は、経年変化が少ないことです。バイオメトリクスを長い期間にわたり、本人を識別するための鍵・暗号として使用するためには、生体の変化がないことが重要です。もし、頻繁に変化してしう場合、本人であることを認識することが難しくなります。
四つ目は、システムの精度が高いことです。これはシステムの完成度が同じであれば類似度に置き換えることが出来ます。数値で表した場合、本人以外の他人を受け入れる確率(他人受入率)と、本人を拒否する確率(本人拒否率)が共に低いこと、究極はゼロになることが理想ですが、現実は、セキュリティを他人受入率を上げると、本人拒否率が高くなり、逆に本人拒否率を低くすると、他人受入率が高くなるというトレードオフの関係になります。
五つ目は、認証のためのスピードです。人の往来の多い場所に設置するのであれば、ストレスなく認証されることが必要です。僕の経験では、お客様が要求する一番の要素が認証のスピードです。
以上が、主にバイオメトリクスにおいて重要なことといえます。
次回は以上の5点について、どのバイオメトリクスが有効なのかを考えていきます。