小松 和弘(経営コンサルタント)- Q&A回答「お答えします」 - 専門家プロファイル

小松 和弘
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小松 和弘

コマツ カズヒロ
( 東京都 / 経営コンサルタント )
ホットネット株式会社 代表取締役
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友人が創業した会社の代表取締役交代(解任)について

法人・ビジネス 人事労務・組織 2012/06/24 22:01

友人が創業した会社があり、創業者の寿命が短いと判明した折に、
人材難から、従業員を3年の期限付きで代表権を持った社長にしました。
出資については、皆無です。取締役は、1名のみで、代表取締役だけです。
株主は、友人夫人、友人子息のみです。
業績は、横ばいですが、売り上げ維持のため違法行為承知の運営であり、
4年目に入る時に、事業継続できないと悶着があり、改善するために
新しく人を入れたのですが、代表取締役が契約不履行や支払拒否を行い、
その人も長続きしませんでした。また、客先事務員さんへのセクハラも判明いたしました。他の従業員の給与も規定通りに支払われていないようです。
株主に対して、事業内容について口頭による報告・質疑は一度も無く、
現状確認も拒否しており、社業はブラックボックス状態だそうです。
そこで、5年目に入ろうとしている今、代表取締役として特別背任・引責辞職勧告を考えたのですが、穏やかではないので、出資と給与減額を申し渡し、もし一つでも拒否するなら、株主総会での解任をと考え、その方向で友人夫人にアドバイスをと考えております。

質問内容
 1株主総会での解任であれば、従業員取締役、平取締役ではないので、
何ら問題ありませんでしょうか?
 2代表取締役が犯した違法行為について株主責任を問われることはありませんでしょうか?
 支払いを求めた業者に支払わない旨を明記した内容証明を送付したようで、
支払拒否の業者から、客先に執行供託などをされる危険性を感じているようです。
 3労働基準監督署などへの対応は、新代表取締役社長として子息が対応する予定ですが、彼が罪に問われることは無いでしょうか?
 4現代表取締役に株主として、賠償請求することも考えたのですが、権利を有しているのでしょうか?
 5可能性としての質問になりますが、社内残留の場合の適切な処遇について、 どう扱えばよいでしょうか?

社会経験のない夫人と後継社長のためにご協力お願いいたします。

aichiaichiさん ( 愛知県 / 男性 / 41歳 )

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お答えします

2012/08/27 19:40

Aichiaichiさん、こんにちは。

1~5の質問にお答えします。

質問
 1株主総会での解任であれば、従業員取締役、平取締役ではないので、何ら問題ありま
  せんでしょうか?

回答
 ・株主総会で代表取締役を解任することはできます。(会社法295条1項) しかし、株主
  総会で代表取締役を解任すれば、代表取締役が誰もいないという状況になるので、同じ
  株主総会で新たな代表取締役を選任する必要があります。
  当然、株主総会が有効であることを証明するために株主総会議事録を作成し記録するす
  る必要があります。(会社法 第318条1項、会社法施行規則第72第2項) 
  ただし取締役解任に正当な事由がない場合は、解任された取締役は、会社に対して損害
  賠償を請求することができる(会社法339条 2項)ので注意してください。



質問
 2代表取締役が犯した違法行為について株主責任を問われることはありませんでしょう
  か?
  支払いを求めた業者に支払わない旨を明記した内容証明を送付したようで、支払拒否の
  業者から、客先に執行供託などをされる危険性を感じているようです。

回答
 ・株主は代表取締役が犯した違法行為の責任を直接問われることはありません。ただ、
  株式会社はその違法行為により第三者に与えた損害の賠償責任を負い、株主は出資した
  金額までの責任(有限責任)を負うことになります。(会社法第104条)
  例外のケースとして、実質的に株主が直接、経営をしていて違法行為をしたり、違法行
  為の指図していた場合は、直接責任を問われることになります。


質問
 3労働基準監督署などへの対応は、新代表取締役社長として子息が対応する予定ですが、
  彼が罪に問われることは無いでしょうか?

回答
 ・新代表取締役が直接罪に問われることはありませんが、株式会社は第三者に与えた損害
  を賠償したり、労基法等で違法行為をしたことについては、株式会社がその責任をとる
  必要があります。

(補足に続きます。)

補足

質問
 4現代表取締役に株主として、賠償請求することも考えたのですが、権利を有しているの
  でしょうか?

回答
・現代表取締役の任務を怠ったことによる損害に対して損害賠償責任があり(会社法第423
 条)、株主が会社を代表して役員等に対して法的責任を追及するための株主代表訴訟
 (責任追求等の訴え)を提起することができます。(会社法第847条)
 株主代表訴訟は株主の提訴請求から始まり、取締役に対する責任追及の訴訟を提起するよ
 うに、会社に対して書面または電子メール等により請求します。(会社法第847条)
 株式会社が請求の日から60日以内に責任追及等の訴えを提起しない時は、株主はこの訴え
 を提起することができます。
 これを受けて会社を代表して訴えを提起する人は、監査役設置会社では監査役になります
 が(会社法386条)、監査役が設置されていない会社では株主が会社を代表する人を選定
 します(会社法353条)。
 そして会社が60日以内に訴えを提起しない場合は株主が直接提起することが出来ます(会
 社法847条)。ただし、裁判で勝ったとしても、代表取締役は、株主ではなくて株式会社
 に損害賠償することになります。


質問
 5可能性としての質問になりますが、社内残留の場合の適切な処遇について、どう扱えば
  よいでしょうか?

回答
・頂いた情報では、どの程度の違法行為や経営責任なのかがよく分からず、適切な処遇を提
 案できませんが、役職はない社員として残留させ、損害賠償の分を給料から差し引くなど
 するという案があります。ただし、人間関係はこじれますから、社内残留では良い結果は
 得られないのではと考えられます。
 訴訟にまで発展しそうであれば、法律事務所に相談された方がより具体的で適切なアドバ
 イスを得られると思います。

ご友人の息子さんと奥様の悩みがなくなることをお祈りいたします。


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