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コマツ カズヒロ
( 東京都 / 経営コンサルタント )
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社会保険のためにLLCまたはLLPを設立したい

法人・ビジネス 会社設立 2011/09/01 23:55

家族三人で、LLCまたはLLPを立ち上げたいと思います。
三人それぞれ、企業や団体でアルバイト・パートをしながら、少額ですがフリーランスとしての請負仕事をしています。(請負の業務内容は三人まったく異なります)
こうした就業形態が今後長く続く予定のため、厚生年金や健康保険などに加入したく、会社をおこしたいと考えています。
つまり、三人まったく分野の異なる個人事業主を束ねて会社という形をとりたい、ということですが…あくまでも社会保険が目的であり、同族のこともあって、会社そのものが必要経費以上の利益を出さなくても良いと考えています。

そこで質問なのですが…

1.3人全員を業務執行役員とし、役員報酬をゼロと設定して、報酬のない役員のために最低額の厚生年金保険料等をおさめる、ということができるでしょうか。

2.各自のフリーランスの請負仕事による収入を会社の事業収入として、ここから会社の法人税や社会保険料等を支払い、残りの額を賞与などという形で各自に還元する、という形をとることができるでしょうか。

3.どの程度の事業収入をあげられるかによって、LLCあるいはLLPにしたほうが良いという分岐点、または会社設立にメリットが出なくなる分岐点、というものがありましたら(これだけの情報では不十分かとも思いますが、どういった点を考慮すれば良いのかだけでも)ご教示いただければと思います。

勉強不足で申し訳ありませんが、どうぞよろしくお願いします。

sawabeeさん ( 東京都 / 女性 / 31歳 )

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お答えします。

2011/11/29 19:29

 sawabeeさん、こんにちは。

 LLCまたはLLPの設立および社会保険加入のご質問について、順に説明させていただきます。

 まず、LLPについてですが、LLPの組合員は、個人事業主と同様の扱いになるため、社会保険への加入はできませんので、LLCについてのみ、ご説明いたします。

1.の質問
 社会保険に加入した場合、被保険者報酬月額算定基礎届を提出する必要があるため、あらかじめ、報酬額を明確にしておく必要があります。そのため、役員報酬がゼロで、賞与額も明確でない場合は、申請が難しくなると考えられます。また、新設会社の場合、経営が不安定であるとみなされると、社会保険事務所によっては、加入が難しくなる可能性もあるということです。

2.の質問
 社会保険料の支払いは、会社と従業員が折半するという規定があるため、会社で社会保険料を全額支払う場合、半額は給与相当とみなされます。
 また、sawabeeさんのご家族でLLCを立ち上げる場合、同族会社の扱いとなる可能性が高くなります。この場合、賞与額をあらかじめ決めておき、事前確定届出給与の届出を所定の期限内に所轄税務署長に提出しておかないと、賞与額を損金として処理できなくなります。その場合、賞与額も課税対象となってしまいます。
詳細については、下記を参照してください。
http://www.nta.go.jp/taxanswer/hojin/5209.htm
関連法規: 法人税法34条1項2号(役員給与の損金不算入)
(補足に続きます)

補足

3.の質問
 法人が支払う税金には、法人税、法人住民税、法人事業税などがありますが、例として、法人税について説明いたします。
 
 法人税率
800万円以下 18%
800万円超え 30%

 個人所得の累進課税率
195万円以下 5%
195万円を超え 330万円以下 10%
330万円を超え 695万円以下 20%
695万円を超え 900万円以下 23%
900万円を超え 1,800万円以下 33%
1,800万円超 40%

 個人事業主として所得税を支払う場合、累進課税となるため、一定額以上の所得がある場合には、法人税率よりも負担が大きくなります。
 また、法人の場合、役員の給与や社会保険料を経費として計上できます。さらに、役員個人が負担する所得税については、給与所得控除(給与額180万円で65万円、180万円超で収入額の40%~5%程度)が受けられるため、大きな節税メリットがあります。

 しかし、所得が一定額以上ない場合、法人税のほうが税率が高くなります。また、法人住民税については、利益がない場合でも7万円支払う必要があります。

 個人事業主と法人設立の分岐点となる事業収入がいくら程度になるかは一概に言えませんが、一人で法人を設立する場合、800万円から1,000万円程度といわれています。
社会保険に加入するメリットは大きいですが、ある程度の収入がない状態で法人を設立すると、法人設立時の費用、法人運営の負担、および税金負担など、デメリットほうが大きくなると考えられます。以上から、一定額を給与として支払える程度の安定した収入が得られる段階になってからLLC等、法人を設立するのが賢明であると考えられます。

sawabeeさんとご家族のご成功を心よりお祈りしております。

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