平野 由夫(獣医)- Q&A回答「Re:腸閉塞で2度の手術後に死亡」 - 専門家プロファイル

平野 由夫
獣医療の透明性と動物に優しい診療を、常に心がけています。

平野 由夫

ヒラノ ヨシオ
( 神奈川県 / 獣医 )
ひらの動物病院 病院長
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腸閉塞で2度の手術後に死亡

人生・ライフスタイル ペットの医療・健康 2010/06/06 21:16

愛犬(6才ミニチュアダックス・男の子)が2度の手術後に死亡しました。
家で嘔吐を繰り返し、病院で診て頂いたところ、吐き止めの注射と薬を処方されました。(家で嘔吐をした際に青い毛布のような物を吐いたので、その事を先生に伝えました)
薬をあげたのですが、薬だけでは飲んでくれず無理やり口に入れたりしている内に溶けてしまったりしたので、先生から頂いた薬はちゃんと飲めていなかったと思います。(ご飯を食べると吐いてしまうのを自分で分かっていたのか、ご飯をあげても食べようとしませんでした)2~3日間は嘔吐をしなかったのですが、次の日にまた嘔吐してしまい、すぐに先生に連絡したのですが、夕方だったこともあり「今から連れてこられても困る」というような事を言われてしまい、結局次の日に病院に連れて行きました。
病院でバリウムを飲んでレントゲンを撮り、血液検査をしたのですが、「血液検査に異常はなく、バリウムが胃に溜まっていて流れていかないので、次の日にまたレントゲンを撮って変化がなければ手術」と言われました。また、腸閉塞の可能性についても「お腹が膨れていないので、腸閉塞ではないと思うなぁ」とおっしゃっていました。その日は一旦家に帰ってきたのですが、元気に遊んでいました。
次に日の朝に、黒に近い茶色っぽい液体を嘔吐したのでそれを病院に持って行きました。診て頂いたところ、嘔吐したものは「たぶんバリウム」と言われ、昨日と同様にバリウムが腸まであまり流れていかないので、試験開腹で手術となりました。(胃の出口以降にあまり流れていかないので、そこに何かあるのだろうという事でした)
手術をして頂いた結果、「何も出てこなかった。十二指腸が肥厚していたので切りました」と言われました。(胃と十二指腸しか見ていないとおっしゃっていました)手術の次の日にお見舞いに行ったのですが、しっぽを振ってくれて元気でした。
手術の3日後に連絡があり、「手術後も嘔吐が止まらず、こちらでやれることはやったのですが…他の病院に予約を取ったのでそちらに行って下さい」と言われ、大きな病院を紹介されました。(その日は土曜日だったのですが、紹介された病院は日曜日が休診だったので月曜日に予約を取って頂きました)
その日にお見舞いに行った時は、前より元気はないようでしたが、私達が行くとしっぽを振って、元気に吠えていました。

補足

2010/06/06 21:16

転院の日は両親が迎えに行き、病院へ連れて行ったのですが、今まで見たことないくらいにゲッソリとしていて、力なくしっぽを2~3度振るだけで元気がなかったようです。
転院してすぐに検査をして頂き、「腸閉塞の可能性」との診断でした。そこでも何度か嘔吐してしまい、次の日に手術となりました。2回目の手術(1回目の手術の6日後)では腸に詰まっていた青い毛布が出てきて、腸が壊死していたので15cm程切ったとの事でした。
2回目の手術の2日後に亡くなってしまいました。


最初の病院から紹介された病院へは、腸閉塞ではなく、胃の炎症と思われるというような紹介状だったようです。たぶん、1回目の手術の際に何も出てこなかったので、先生はそう思われたのだと思います。1回目の手術後に「切った十二指腸は捨ててしまったので、炎症だったのか、腫瘍だったのか検査すれば良かった」とおっしゃっていました。
ただ、1回目の手術後にも嘔吐が止まらないのはおかしい、と思ってすぐに病院を移してくれていれば、うちの子は助かったのではないか…??
そもそも、試験開腹で手術をしたのに、胃と十二指腸しか見てないなんて…その下の腸以降もきちんと見るべきなのでは…??
その時に腸以降も見ていてくれていれば、1回目の手術で詰まり物が取れていたのでは…??
等と思います。(これも質問なので答えて下さったら嬉しいです)

また、転院したところの病院から、入院費と手術費、初日の検査費用を含めて約45万円の請求がきました。最初の病院からはまだ請求はきていないのですが、手術が15万円くらいと言われていたので、入院費等を含めると約20万円の請求がくると思います。
先生の判断と、この請求額は妥当なのでしょうか…??
ただ、うちの子が亡くなって1カ月以上経つのですが、最初の病院からは請求がきません。また、亡くなったことを伝えたのですが、最近フェラリア予防注射の案内が送られてきました。すごく失礼だと思います。

最後まで読んで頂き有難うございます。
長々と申し訳ありませんが、質問に答えて下さったら嬉しいです。よろしくお願い致します。

salan3753さん ( 神奈川県 / 女性 / 25歳 )

Re:腸閉塞で2度の手術後に死亡

2010/06/11 23:03
( 5 .0)

はじめまして、salan3753さん。
ひらの動物病院の平野と申します。
ご返信させて頂きます。
6歳という可愛い盛りでワンちゃんを亡くされたとのこと、ご家族の御心痛はいかばかりかと思います。
ワンちゃんの御冥福をお祈り申し上げます。
大変デリケートな内容でもありますので、salan3753さんの御投稿の一部を引用させて頂く形で、ご返信させて頂ければと思います。
どうぞ宜しくお願い致します。

>>ただ、1回目の手術後にも嘔吐が止まらないのはおかしい、と思ってすぐに病院を移してくれていれば、うちの子は助かったのではないか…??

御投稿の内容をお読みさせていただくと、開腹手術を担当された先生の術後の報告として、

●何も出てこなかった。
●十二指腸が肥厚していたので切った。

との事で、手術翌日のお見舞いでも、

●しっぽを振ってくれて元気だった。

との事であれば、術後1~2日間の経過は安定していて、そうするに至ることなく改善が期待できる状況だったのかもしれません。
手術直後であることを慮って、そうはすべきでないという判断だったのかもしれません。
仰られている状況がうまれていれば結果は違ったかもかもしれませんし、そうはならかったかもしれません。
今、salan3753さんの仰られる可能性について、お答えできるのはこの程度に留まる事を御容赦ください。


>>そもそも、試験開腹で手術をしたのに、胃と十二指腸しか見てないなんて…その下の腸以降もきちんと見るべきなのでは…??
その時に腸以降も見ていてくれていれば、1回目の手術で詰まり物が取れていたのでは…??
等と思います。(これも質問なので答えて下さったら嬉しいです)

胃と十二指腸を確認できる切開創から、さらに遠位の消化管を観察するのであれば、剣状突起から臍部を越え、陰茎基部近くまで切開創を拡大する必要があったと思います。全身麻酔時間の延長・切開部を拡大する事でのワンちゃんに対する術中・術後の侵襲等、全ての考慮の上で、その時の判断があったのだと思います。結果として認められた 『腸に詰まっていた青い毛布』 については、一般的に、開腹下で全消化管の触診が可能であった場合は、発見~摘出できる可能性が高かったものと考えます。

補足

>>また、転院したところの病院から、入院費と手術費、初日の検査費用を含めて約45万円の請求がきました。最初の病院からはまだ請求はきていないのですが、手術が15万円くらいと言われていたので、入院費等を含めると約20万円の請求がくると思います。
先生の判断と、この請求額は妥当なのでしょうか…??

結果として、内科治療では改善が認められないであろう 『腸に詰まっていた青い毛布』 が認められたとの事ですので、外科的処置の必要性についての判断は適切なものであったと思います。費用については検査・処置・投薬・手術の内容、人件費等によっても大幅に異なってくるため、その妥当性について判断することはできません。ただ転院先病院での費用については、二次診療・紹介診療という特性上、通常診療よりも高額である(高額となる)状況は在り得ると思います。

以上、乱筆・乱文をお許しください。
重ねてワンちゃんの御冥福をお祈り申し上げます。

評価・お礼

salan3753 さん

お忙しい中、ご回答いただき有難うございました。
 転院した病院の先生から「腸閉塞で亡くなるのは稀」と聞いていましたし、家族皆の宝物で、皆で可愛がってきた子だったので、もっと一緒にいられるはずだったのに・・・という想いがあって、最初に診て頂いた病院に疑問を持ってしまい、今回沢山質問させて頂きましたが、デリケートな問題と仰いつつも質問に答えて下さり、有難うございました。
 評価と御礼が遅れてしまい、申し訳ございません。
 今回は本当に有難うございました。

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