金井 高志(弁護士)- Q&A回答「著作権(版権)の買取義務はありません」 - 専門家プロファイル

金井 高志
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金井 高志

カナイ タカシ
( 弁護士 )
フランテック法律事務所 
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デザイン版権譲渡について

法人・ビジネス 企業法務 2008/02/22 18:03

私は理髪店を昨年から始めました。その時デザインした
もの全ての版権を譲渡するとの通達を最近うけました。
HPデザイン9ページ、ロゴマーク、看板、マット、テーブル、棚、レジ台、名刺、カード、タオル用織りネームの10点です。
ここのデザインを他の会社に頼む事もありません。
もし頼むとしてもがらっとデザインは変えます。
HPも止めようと思います。
今ある物は使えるとおもうのですが。。。
なお、デザイン料は全て払ってあります。
それでも版権譲渡を受けなくてはなりませんか?
10点全てですか?
宜しくおねがいします。

panda-sunさん ( 東京都 / 女性 / 36歳 )

著作権(版権)の買取義務はありません

2008/02/28 21:38

ご相談は、相談者の方が経営なさっている店のHPのデザイン等を依頼した会社から、それらの著作権を買い取れとの請求を受けているが、これに応じる必要があるか、というものと理解しております。
今回の件では、著作権が誰に帰属するか(相談者の方に譲渡されているか)、特に、看板、テーブル、棚、レジ台について共同著作権が発生するかの問題があるようで、また、意匠権の問題もあるようですが、著作権や意匠権が発生しているかどうかとの問題とは別に、契約関係の問題を考えてみることも必要と思われます。
まず、著作権や意匠権が発生していなければそもそも相談者の方による買い取りという問題は発生しません。
ただ、仮に、著作権や意匠権が発生するとしても、それによって著作者や意匠の創作者に相談者の方に対して買い取り請求が認められるわけではありません。著作権や意匠権は、他人が勝手にコピーしたりすることなどを禁止することができる権利であり、権利を買い取るように請求することはその内容に含まれていないからです。
従って、今回の件で、著作権(または意匠権)を買い取れとの請求に相談者の方が応じる必要はありません。また、応じなかったからといってHP、ロゴマークなどの使用を止める必要もありません。当初のデザインの制作委託の際に、権利関係の明確な契約書を締結していなかったとしても、デザイン料を支払っている以上、裁判上、少なくとも現在の状況での利用についての権原は相談者の方にあり、デザイン会社に相談者の方に対して利用を差し止める権利が認められることはないと思われます。

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