藤原 純子
フジワラ ジュンコ良いものはいつ使う?
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皆さん、ごきげんよう。
お知らせしておりました「JUNCOブランド」の新作ブラウスも大変ご好評いただき、誠にありがとうございます。
以前からご愛顧頂き心待ちにしてくださった方、ブラウスを「美しい!」と試着もなくご購入頂いた方など 新しいご縁も広がり 大変光栄に感じております。
本日から、東京に来ております。お目にかかれる皆様、どうぞよろしくお願いいたします!
さて、本日の話題へ入りましょう。
ハイブランドバッグの代表ともいえるエルメスのバーキン。私のお客様でもお持ちの方が多いのですが、このバッグを皆さんいつお使いになっているかというと、「もったいないからだいたいお呼ばれや特別な日のために大事にしまっている」とおっしゃいます。それこそもったいない!そんな方には「良いものこそ普段使いしてください」とお伝えするようにしています。私自身、40代ではまだまだ持つまいと思っていたバーキン。50代が近づいてきて、いざ手にしたときに、「これをあえてパンツと合わせたい」という気持ちが沸き上がってきたんです。きれいなワンピースで華やかなパーティーに出るときなどに持つともちろん映えると思います。でも、何でもない日に、しかもプレーンな格好にさらっと持つのもこのバッグの魅力を引き出す着こなしのひとつではないかなと。
実際、このバッグの名前の由来となった女優のジェーン・バーキンは、年齢を重ねてもそのナチュラルな美しさが魅力で、まさに普段使いの天才です。このバッグが生まれた逸話も有名すぎるほど有名にまりましたが、エルメス社の社長が出張中に飛行機で、ジェーン・バーキンと隣り合わせになり、籐のかごバッグに何でもかんでも詰め込んでいる様子を見て、整理しなくても何でも入れられる万能バッグをプレゼントしようと申し出たことから生まれました。実際、ジェーン・バーキンの使うバーキンはこれでもかというほどボロボロだそうです(笑)。皆さんはそこまでボロボロにしなくてもいいとは思いますが、こんなエピソードを知ると、なおさら普段使いのパートナーにしたくなりませんか?
バーキンに限らず、憧れのブランドやアイテムこそ普段使いしましょう。決めすぎず、さらっと何でもないかのように着こなしていれば、皆さんが憧れる“抜け感”“こなれ感”ももれなくついてくるはず。よく「いざという日のファッションを教えてください」という相談を受けるのですが、「いざという日」なんてないんです。日々の延長が「いざ」なんだから、日常をきちんとしていたら「いざ」というときに慌てなくていいんです。だって、いざという日よりも日常の方がよっぽどたくさんの人と接するんですよ。そこで手を抜いて、いざという日におしゃれになんてなれるわけない。毎日ご自分が主役なんだってことを忘れず、どうぞ遠慮なくいつも素敵でいてください。前にも書いたようにおしゃれは筋トレや旅のように普段からトレーニングが大切です。
本番でチカラを発揮するためには、地道な練習があってこそ。だからいちばんおしゃれな自分は普段の自分であるべきなのです。正直お呼ばれの日は、いわゆるフォーマルウエアを着て、プロのヘアメイクさんのチカラを借りれば皆さんそれなりに仕上がるのです。でも、日ごろ自分でどれだけ考え、磨いているか、という内面の努力は着こなしや姿勢、表情などはどんなときも輝きとなってあらわれます。
自分に似合うものを楽しんで来ている人って本当に素敵です。