水嶋 一途(弁護士)- Q&A回答「離婚時における住宅ローンの財産分与の考え方」 - 専門家プロファイル

水嶋 一途
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水嶋 一途

ミズシマ カズミチ
( 東京都 / 弁護士 )
一途総合法律事務所 弁護士
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離婚時の住宅ローンについて

2012/02/08 11:40

離婚することになり当初、協議離婚で話を進めてましたが住宅ローンの金額的な面で折り合いが付かず調停となりました(現在準備中)

主人32歳 年収320万(介護職)、私33歳 年収370万(会社員 勤続15年)
長女(1歳6ヶ月)親権は私
養育費は月3万で娘が成人するまでということで話は進んでます

3年半前に新築マンションを購入(2580万)
頭金580万を入れて、1000万ずつのペアローンを組みました
その頭金は主人2:私5の割合の預金から出しました
現在のローン残金がお互い960万ずつです
主人が出て行き、私と娘が住み続けたいので主人の960万のうち
現在の貯金500万を投入し460万の債務について私が借受してローンを背負うということで銀行とは話が進んでいます
土地等の持分も2分の1ですが、離婚時の財産分与で主人分を私に書き換える事になっています
主人としては、最初は俺は金には興味がない。自由になりたいんだ
といっていましたが、その自由というのがお小遣いが足りないというのも理由になるので今頃になってから俺の結婚前の貯金100万は返してくれといってきています
それをいったら私の結婚前の預金500万を返してくれという話になるので押し問答になる為それはないものと考えましょうと話をしていますが

主人も私も住宅を買うにあたり完済するつもりでローンは組んだので、自分のローン分は返して欲しいという気持ちもあり、当初の要望としては
この財産半分半分分けた分の250万を全て欲しいことと
私の250万もあなたの完済につぎ込み残りも背負いこむのだから
その分(960-250=710万)も踏まえて月額で返して欲しいといったところ
離婚を切り出したのは向こうで、養育費も慰謝料もローンも払うと最初から言ってたので一度は協議書にOKをもらえましたが、向こうのご両親にそこまでするな!と怒られて話がこじれて調停の運びとなっています
質問したいのは、現預金の500万を夫婦で分けた250万の主人分をもらうのは財産分与でもらえるものなのか
また、700万は無理でも少しでも相手から返済してもらえる術はないのか(ないものと考えてはいますが…)
現状正社員で勤めてはいますが、人員削減などが大規模に行われており
明日はわが身の立場です
将来の蓄えと娘の進学などに備えて貯金をしておきたいのです

補足

2012/02/08 11:40

2年半前に一度主人は肉体関係のある不倫をし、ばれてます。その時には不妊治療中で、ショックも大きく別れようかまよいましたがその後、ほどなくして娘を妊娠し、今に至ります。
婚約中にも浮気騒動はあったので女関係がルーズな人です

トットコカァサンさん ( 埼玉県 / 女性 / 33歳 )

離婚時における住宅ローンの財産分与の考え方

2012/02/10 13:32
( 4 .0)

トットコカァサン、こんにちは。
弁護士の水嶋一途です。

住宅ローンが残っている自宅について、離婚の際の財産分与でどう調整するかは、これからの生活設計に大きく影響する大切な問題だと思います。
きっとトットコカァサンも、将来の蓄えやお子様の進学などを考えて、とてもお悩みのことだろうと推察します。

財産分与の基本的な考え方をご説明すると、結婚前から有している貯金などは特有財産といって、財産分与の対象とはなりません。
特有財産を原資として結婚後に購入した財産についても、原則として財産分与の対象にはならないと考えていいでしょう。
そこで、まずは分与の対象となる財産を確定し、特有財産部分も含め公平な財産分与となるように調整する必要があります。

トットコカァサンのケースでは、対象となる夫婦の共有財産は、不動産、預金、住宅ローンになります。

まず不動産についてですが、「頭金580万円は夫:妻=2:5の貯金から支出した」ということについて、「二人の結婚前から有していた貯金を合算すると夫:妻=2:5になる」と理解してご説明します。
この場合、580万円の部分については、特有財産として、夫:妻=2:5の割合で分け、2000万円の部分について財産分与の対象となる共有財産として夫:妻=5:5で分けることになります。
したがって、不動産について特有財産部分を考慮に入れて財産分与をした場合の持ち分割合は、

妻 (580万円÷7×5+2000万円÷2)÷2580万円=54.8%
夫 (580万円÷7×5+2000万円÷2)÷2580万円=45.2%

となります。
そして、不動産の評価額については離婚時点である現在の評価額を基準としますが、具体的な数字が不明ですので購入時から下落していないもの(2580万円)と仮定すると妻1414万円、夫1166万円という評価になります。

以下、回答補足に続きます。

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補足

次に預金(500万円)については、結婚前の各自の預金は考慮しないという前提であれば、全額夫婦の共有財産として折半することになります(250万円ずつ)。
最後に住宅ローン残額合計1920万円についても、全額夫婦の共有財産として折半することになります(マイナス960万円ずつ)

上記をすべて合算すると、夫婦の共有財産を分与した結果、評価額ベースで妻は704万円分(不動産1414万円+預金250万円-住宅ローン960万円)、
夫は456万円分(不動産1166万円+預金250万円-住宅ローン960万円)を取得すると公平な財産分与になります。

今回のケースでは、預金500万円はローンの返済に充て、残ったローン残高960万円+460万円=1420万円を妻側で負担する代わりに不動産を100%取得するとのことですので、妻の取得評価額は1160万円(不動産2580万円-住宅ローン1420万円)になります。
一方夫側は、何も取得しないということですので評価額は0です。
したがって、このような解決案をお考えであれば、公平な財産分与という観点からは妻から夫に456万円相当の清算をする必要があります。

上記は、結婚前のそれぞれの預金や慰謝料という問題を考慮していませんので、実際に妻側からの清算が必要か否かは何とも申せませんが、調停では上記のような考え方を前提として、結婚前の預金、慰謝料を含めて話し合いが必要になると思います。

あくまで仮定の事情に基づく計算ですので、実際にどのように考えるべきかについては、具体的資料をお持ちになられてお近くの弁護士にご相談されるとよろしいかと思います(当事務所でもご相談を承っております)。
幼いお子様のことも含めご心配は尽きないと思いますが、少しでもご参考になれば幸いです。

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評価・お礼

トットコカァサン さん

2012/05/09 12:58

回答ありがとうございました。
来週の調停に向けて、現在準備中です。
母が精神的に参ってしまい、マンションは売って新しい所に住んでくれないか?とも言われているので売却も現在は視野に入れております。
相手から400万も財産分与として請求されてはこっちがローンを背負うリスクとしては重過ぎますからね。
売却すると慰謝料としてお金がもらえるのでそちらの線でいこうと思います。色々とご丁寧にありがとうございました

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