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対象:刑事事件・犯罪
三浦和義氏の逮捕と遡及処罰の禁止(1)
第4章 裁判官はなぜ怒ったのか
足利事件、菅家さん釈放 その2(4)
足利事件、菅家さん釈放 その2(3)
足利事件、菅家さん釈放 その2(2)
閲覧数順 2024年12月09日更新
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犯罪を捜査するためには、犯罪を裏付ける証拠(凶器などの物証や目撃者などの人証)を確保しなければならないし、また、その犯人に逃げられないようにする必要があります。 刑事事件の手続きを定めた法律である「刑事訴訟法」には、犯人であると疑わしい人(=被疑者)の身柄を強制的に確保する手段として「逮捕」という手続きと「勾留」という手続きを認めています。 犯罪捜査の過程において、必ずしも被疑者(=犯人で...(続きを読む)
5 科学信仰からの脱却 足利事件では、警察側の科学捜査担当者がおこなったDNA鑑定が有罪の根拠として大きな役割を果たしました。当時のDNA鑑定はせいぜい800人に一人程度の精度しかなかったのですが、菅家さんの無実の訴えが一審から上告審まで全てしりぞけられた最大の理由は、この鑑定結果とそれに基づく捜査段階での自白でした。 このような一種の科学信仰とも言うべき態度は、今でも...(続きを読む)
3 逮捕・勾留中の自白の証拠能力 今までは自白強要の問題を指摘しましたが、安易に自白を「任意」になされたものと認めてしまう裁判官と司法制度の問題も見逃すわけにはゆきません。 その根本的な解決策としては、身柄を拘束した被疑者の供述(自白)はそもそも任意性に疑いがあることを原則とするべきではないでしょうか。 つまり在宅、あるいは保釈中の被疑者の供述でなければ有...(続きを読む)
2 取調べの適正化、任意化 取調べの全面録画だけでは十分ではありません。なぜなら、自白強要は、実は以下のような現行の捜査実務の中に深く根ざしているものだからなのです。 (1) 逮捕・勾留された被疑者は、留置場の房から取り調べ室へ呼び出された場合、拒むことが出来ない。たとえ黙秘していて、何もしゃべらないから行きたくないと言っても、強制的に引きずり出される。 (2)同じく...(続きを読む)
なぜえん罪が生まれたのか 足利事件において菅家さんが、無実であるのになぜ有罪判決を受けて服役するような悲劇が生じたのか、その直接の原因は大きく分けて二つあると思われます。 一つめは、菅家さんの必死の否認を無視し、お前が犯人だ、証拠があるんだ、と自白を強要した当時の捜査担当者(警察官)であり、そのような自白強要を許す現行の捜査制度です。さらに、そのような強要された自白を真に...(続きを読む)
いまさら戻らない17年半 菅家さんの両親は、息子が凶悪犯人であるという濡れ衣を着せられたまま亡くなっています。菅家さん自身、今後の刑事補償、国家賠償で幾ら金銭の補償をされても、身柄を拘束された17年半は今さら戻ってこないのです。このように、えん罪は取り返しのつかない悲劇を生みます。 私から見ると、菅家さんのような立場に置かれた場合、えん罪を晴らすことが出来ずに誤った有罪判決...(続きを読む)
異例の釈放 6月4日、足利事件で無期懲役の刑が確定して受刑中の菅家利和さんが釈放されました。5日のテレビに出演した菅家さんは、17年半前の逮捕の時のニュース映像と比べると、すっかり老けてしまっているのが痛々しい限りです。 無実を訴えて再審請求中の菅家さんですが、まだ再審開始決定すら出ていない段階で、検察官が刑の執行停止を決定して釈放したのですから、まさに異例です。裁判所がD...(続きを読む)
裁判員裁判が始まる 5月21日から裁判員裁判が始まり、新聞、テレビなどは大きく取り上げています。正確に言えば、21日から一定の重罪で起訴される刑事事件については、裁判員が加わる法廷で審理され、判決されるようになったということです。 日本では、戦前の短い時期に陪審裁判が行われたことはあるものの、刑事裁判への本格的な市民参加は初めての経験です。法曹三者(裁判所、検察庁、弁護士会)...(続きを読む)
無罪証拠の散逸 この実例では、幸いなことに彼女の無罪(アリバイ)を証明する出勤簿などが残っており、弁護人によって発見されたことでえん罪が判明し、彼女は無罪となることが出来ました。 しかし、いつもそのような幸運に恵まれるという保証はありません。古い帳簿類をいつまでも保管することは企業にとって負担ですし、実際にも一定期間で廃棄するのが一般的です。商法19条3項によると帳簿など...(続きを読む)
公訴時効が撤廃されたら 前回は、公訴時効の撤廃を求める声が被害者遺族らから上がり、法務省も検討に入っていることを説明したうえで、仮に公訴時効が撤廃された場合に、あなたの身に起こるかもしれない事態を書いてみました。はるか以前の日々の行動について無実を証明することがいかに困難かということです。 読者は、そんなことが現実に起きるのか疑問に思うかもしれませんが、私自身が実際に手が...(続きを読む)
公訴時効が撤廃されたら もしも、あなた自身の身に次のようなことが起きたら、と考えてみて下さい・・・ ある日、あなたに警察から呼び出しがきます。ちょっとした交通違反以外には特に身に覚えのないあなたが、何だろうと思いながら出頭すると、異様な雰囲気です。小さく窓もない部屋で係官数人に囲まれて、三十数年前の行動について追及されます。なんでも、当時、近所で起きた殺人事件について疑わ...(続きを読む)
刑事事件と時効 このシリーズの「30年前の殺人事件と除斥期間」では、民事事件における時効と除斥期間の問題を取り上げましたが、それでは刑事事件ではどうなのでしょうか。 その30年以上前の殺人事件では、犯人は事件から26年が過ぎた2004年(平成16年)に自首しましたが、殺人罪の時効(当時は15年)が成立していたため、逮捕も起訴もされずに終わりました。 このように、...(続きを読む)
最高裁判決 今回の損害賠償請求訴訟の第一審判決は、この除斥期間の適用を認め、遺族による損害賠償請求を認めませんでした。しかし二審判決は除斥期間の適用を認めずに犯人に対し損害賠償を命じました。 犯人側の上告に対し最高裁は二審判決を適法と認め、上告を棄却したのですが、その理由として、被害者の死亡を遺族が知り得ない状況をことさら作り出した犯人が、それ故に賠償義務を免れるとするのは...(続きを読む)
除斥期間 最高裁判所第3小法廷は4月28日、1978年(昭和53年)に女性教諭(当時29歳)を殺して遺体を自宅床下に埋めて隠し、26年後に自首した犯人の男性(73歳)に対し遺族が損害賠償を請求した民事裁判で、除斥期間の適用を認めなかった二審判決を維持し、犯人の上告を棄却する判決を言い渡しました。 このような犯罪による被害者やその遺族は、民法709条により、犯人に対し不法行...(続きを読む)
死刑か無罪か、究極の判断 第二は、この事件のような無罪か有罪かが争われ、有罪であれば死刑となる可能性が極めて高い事件では、裁判所は死刑か無罪かという究極の判断を迫られるということです。そして、間もなく始まる裁判員裁判では、職業裁判官だけでなく一般市民から選ばれた裁判員も、全く同じ立場でそのような究極の判断を下さなければならないのです。 日本の刑法学の重鎮である団藤重光氏(東...(続きを読む)
上告棄却判決 最高裁判所第3小法廷は4月21日、いわゆる和歌山毒カレー事件で起訴された被告人女性(47歳)に対し、無罪主張を退け、一審・二審の死刑判決を維持する上告棄却判決を言い渡しました。 その理由として判決は、 (1)事件に使用されたヒ素と被告人宅から検出されたヒ素との特徴が同じであること (2)被告人の毛髪に高濃度のヒ素が付着していたこと (3)事件当時...(続きを読む)
現場での対応はどうあるべきか それでは、毎日のように起きるラッシュ時の痴漢行為に対し、現場の関係者はどのように対処すべきなのでしょうか。 現在の警察の一般的扱いでは、被害者がある男性を痴漢犯人であるとして駅員や駅前交番につきだした場合、男性が否認していると、まず間違いなく逮捕されてしまいます。もちろん罪を認めていても逮捕される場合が多いのですが、痴漢行為の程度によっては警...(続きを読む)
無罪判決 最高裁判所の第3小法廷は4月14日、満員の小田急電車の中で女子高生の身体に触るなど痴漢行為をおこなったとして起訴された被告人男性(62歳)に対し、一審・二審の有罪判決を破棄し無罪判決を言い渡しました。 その理由として判決は、この種の痴漢事件では目撃者や物証など客観的な証拠が得られず被害者の訴えが唯一の有罪証拠である場合が多く、特に慎重な判断が求められると指摘しま...(続きを読む)
私の著書「刑事法廷」の出版から11年がたちました。 「刑事法廷」は、私自身の担当した刑事事件の中から、一般の市民にとって興味がありそうなものを取り上げることによって、刑事司法の現場の実情と弁護人の苦労を判りやすく解説しようとしたものでした。幸い多くの方々に支持していただき、一刷は完売となりました(現在は私の事務所でのみ二刷を販売中です)。 私はこのオールアバウトの専門家に登録...(続きを読む)
(第20回) 振り返ってみると、公判途中で裁判官が示した有罪に出来ないことに対する検察官への怒りは、私に改めて刑事裁判の現状に対する疑問を抱かせるものでした。もちろん多くの裁判官が公平な態度で裁判にのぞんでいることを認めるにやぶさかではありません。 しかし、このケースの裁判官のような態度が例外的なのかというと、私の経験では決してそうも言えないように思えます。これは99%以上という...(続きを読む)
(第19回) 判決は予定通りの日時に言い渡されました。法廷で裁判官は被告人を前に立たせて、まず主文を読み上げました。 「被告人は無罪」 被告人を着席させてから裁判官は理由を読み上げました。被害者の走行経路の詳細は不明であること、被害者がBさんが目撃した地点から走り出したとのBさんの証言は確定的なものとは認められないこと等弁護人の...(続きを読む)
(第18回) 続いて弁護人の弁論の日がやってきました。私は弁論において改めて、被告人には過失はなく無罪であると主張しました。 私はまず、本件において起訴されているのは「前方」注意義務違反であること、従って「後方」や「側方」に対する注意義務違反は訴因に含まれていないことを念のため指摘し、結局のところ被告人の過失の有無は運転席の被告人から前方の見通し可能な範囲内に被害者がいたかどうか...(続きを読む)
それから1ヶ月ほどして、検察官の論告、求刑が行われました。 検察官はこの論告において、被害者の足跡を衝突地点から逆に辿ってみると、ダンプカーが発進した時、被害者のいた地点は、発進時の運転席から右サイドミラーで見通せ、被害者が衝突地点方向へ駆けだした時、運転席から被害者の顔や腕が肉眼で見えた。又、被告人は母親がいることには気がついていたのだから、近くに幼児がいることも予測できたはずで、従って被...(続きを読む)
(第16回) 第5回公判では、まず検察官が訴因の変更を請求し、裁判官はこれを許可しました。変更前の訴因は、車が停止した状態から発進するときに自車直前をアンダーミラーなどで確認しなかったことが過失とされていましたが、新訴因では、発進時だけでなく、その後の進行中も前方左右の歩行者の有無を確認しなかった事が過失とされるものになりました。 これは検察官が、当初から弁護人が指摘してきた...(続きを読む)
(第15回) このように明らかになった実況見分の結果は、Y運転手にとって有利な点と不利な点があると私には思えました。有利なのは、K子ちゃんの走行経路次第でサイドミラーに映らない可能性があることや、甲地点のCさんが目撃したトラックの右後ろの地点(ア地点)から現場監督Bさんが目撃した飛び出し地点(イ地点)までの距離がこれまで考えられていた距離よりも長かったこと...(続きを読む)
(第14回) これまで頑固に弁護人の立ち会いを拒んできた検察官も、裁判官の指示には逆らえず、ようやく私の立ち会いを認め、実況見分が実施されることになりました。 この実況見分は、これまでの捜査では不十分だったところの、運転席からの見通し状況を詳細に確認する作業が中心でした。警察が準備してきたK子ちゃんとほぼ同じ身長のダミー人形を推測されるK子ちゃんの...(続きを読む)
(第13回) 閉廷後、裁判官が「双方、ちょっと来てください」と私と検察官に声をかけてきました。そして別の部屋に入ると裁判官は検察官に対し怒りもあらわにズバリと言いました。 「検察官、これは大変な失態ですよ。このままでは有罪の心証がとれません」 私は思わず裁判官の顔を見つめました。有罪の心証がとれないことに「大変な失態」と怒りをあらわにする裁判官の感覚に違和感を感じたからです。...(続きを読む)
(第12回) 被告人質問でY運転手は、事故直前にターンのため後進しながら右折した時は運転席(車体の前部右側)の窓を開けて首を外に出して右後ろを見ながら後進したこと、ガードマンは笛をピッピッと短く吹きながら誘導したこと、右の塀の角を右後輪が通過するまではタイヤのあたりを見ていたが通過してからは首を引っ込めて停まったこと、この後進の際も被害者には気づかなかったこと、発進するときに右サイドミ...(続きを読む)
(第11回) 第2回公判では、まずガードマンCさんが証言しました。 証言の内容は事前に私が聞いたところとほぼ同じでした。(コラム第8回参照)またCさんは法廷で実況見分の際にCさんの指示に基づいて作成されたという現場見取り図を示されて証言を求められましたが、事故直前に見た被害者の位置は実況見分の際に指示した位置(図4ア地点)より1メートルくらい後ろだった...(続きを読む)
(第10回) こうして迎えた第一回公判で私は、検察官に対し、公訴事実に関して次のような釈明を求めました。 ダンプカーの発進時点から被害者が横断を開始するまでの時間、横断開始時の被害者と車体の間隔、その時の被害者は被告人の死角に入っていたかどうか、肉眼では見えなくともアンダーミラーなら見えたのか、被害者の走行経路はどのようなものだったのか、ガードマンらには注意義務違反はないのか、等...(続きを読む)
(第9回) このように調査をしているうちに、第1回公判の期日が近づいてきました。第1回公判では起訴状に書かれてある公訴事実(被告人が犯したとされる犯罪事実)に対する認否等、事件に対する弁護人の基本方針を示す必要があります。 私は検察官の開示記録を読んだ段階ではまだ、無罪を主張すべきかどうか迷っていました。K子ちゃんが、Cさんが見たときに立...(続きを読む)
(第8回) こうして開示された記録を検討する傍ら、私は工事現場監督のBさんとガードマンのCさんに直接会って話を聞く事が出来ました。 そこで私はBさんから、K子ちゃんがブロック塀の陰から飛び出したのがダンプカーの発進の時ではなく、発進して2〜3秒してからだということを新たに聞く事が出来ました。 これは、事故が警察、検察が考えている発...(続きを読む)
(注)ずいぶん飛んでしまいましたが、2月28日執筆のコラムの続きです。 (第7回) たしかに、一般的に言えば、ダンプカーのような大型車は直前に死角があるので、停止状態から発進するときは運転手はその死角に人や障害物がいない事を確かめる必要があります。もし、そのような確認をしないまま発進し、そこに子供がいたために轢いてしまったならば、運転手に過失があることは争いようがないでしょう...(続きを読む)
アメリカの裁判官の判断に注目 私のような考え方は、現在の日本では大方の世論の賛成は得られないかもしれません。しかし、刑事手続きにおける人権への慎重な配慮は、国際人権規約などによって今や世界共通の認識とされつつあります。 三浦氏の今回の逮捕が、一事不再理や遡及処罰の禁止などの原則に照らして問題がないかどうか、同種の事件(被告人はメキシコ人)が既に裁判中だそうですから、人権の擁護にかけ...(続きを読む)
「逃亡者」はどうなる なによりも被告人の立場はどうなるでしょう。もしあなたが、身に覚えの無い罪で逮捕状を出されたとしましょう。必死になって無罪を主張しても、家族も含めて誰も信じてくれない時は、TVドラマ「逃亡者」よろしく逃げるしかありません。長い逃亡生活の末に公訴時効によって救われたあなたは、ようやく安心して生活することが出来るようになります。ところが、数年後にあなたは逮捕されます。容...(続きを読む)
手続法の改正だから構わない? しかし、手続法の改正であっても被疑者・被告人にとって根本的な地位の不利益変更を伴う場合があります。たとえば時効期間の変更です。ある犯罪について10年の公訴時効を定めている法がある場合、事件から10年以内に被疑者を逮捕あるいは起訴しないとその事件について逮捕・処罰することは許されません。それでは、そのようにして公訴時効が完成した後になって、法を改正して公訴...(続きを読む)
何が問題なのか それでは、今回の逮捕は、この遡及処罰禁止の原則に照らしてどのように考えたら良いのでしょうか。 私はアメリカ法についての専門家ではありませんが、2004年のカリフォルニア州刑法の改正は、遡及処罰には当たらないという考えに立っているものでしょう。つまり、ロス疑惑の対象となった銃撃事件は当時も今も同州刑法の殺人罪(あるいはその共謀罪)に当たる犯罪であって、その点では何...(続きを読む)
遡及処罰の禁止 遡及処罰の禁止の原則は、日本国憲法第39条が、「何人も、実行の時に適法であった行為・・・については、刑事上の責任を問はれない。」と定めているものです。 このような遡及処罰の禁止は、一事不再理の原則や無罪推定の原則と同様に、日本だけでなく世界の民主主義国で必ず採用されている刑事裁判の大原則の一つで、アメリカ合衆国憲法にも定めがあります。また基本的な国際人権条約の一つ...(続きを読む)
遡及処罰の禁止 それでは、このようなカリフォルニア州刑法の改正によって、三浦氏の逮捕には法的に何の問題も無くなったといえるのでしょうか? どうも違うようです。 前述のとおり、三浦氏の無罪判決が日本で確定した時の同州法では、このような外国の確定判決がある事件については同州法では訴追できないことが決められていました。したがって三浦氏は、この時点では、再逮捕される心配をせずにカリフ...(続きを読む)
カリフォルニア州法の改正 いわゆるロス疑惑の舞台はアメリカ・カリフォルニア州ですが、2004年までの同州の刑法では、他州や他国の裁判で確定判決(有罪でも無罪でも)を受けた被告人については、訴追する(裁判にかける)ことが出来ないとされていたそうです。つまり、一事不再理の原則がアメリカ国内の他州だけでなく外国の裁判にも適用されていたのです。 三浦氏は日本において2003年の最高裁判決...(続きを読む)
このホームページで公表した私の2月26日付「三浦和義氏の逮捕と一事不再理の原則」では、私なりに三浦氏の逮捕について、当時は未だどこでも指摘されていなかった一事不再理の原則との関係での疑問を述べてみました。幸い、その後のマスメディアの論調には、部分的にではありますが、一事不再理原則の問題点を取り上げるものも見られるようになりました。 また、その後の報道で、アメリカ・カリフォルニア州法の改正が今...(続きを読む)
そのような協力の下で行われた裁判で無罪判決が確定した時に、あれは外国の裁判だからうちとは関係ない、日本で裁判すれば有罪に出来るはずだ、などと考えるのは、いささか実情に合わないと言わねばなりません。 なによりも、被告人の立場はどうなるでしょう。もしあなたが、海外旅行中に身に覚えの無い罪で逮捕・起訴されたとしましょう。必死になって無罪を主張し、長い裁判の末に弁護士の力添えもあって何とか無罪判決を...(続きを読む)
一事不再理原則は国境を越えないか しかし、このような外国判決があっても再度同じ罪について国内法で裁くことが許されるという考え方に対し、私は違和感を覚えます。 現代社会は、人もモノもお金も、さらには情報も国境を超えて出入りするのが当たり前の時代です。人について言えば、観光客を初めとしてビザなしで自由に出入りすることを相互に認め合う国が増えていますし、ビジネスや学術目的の出入国も昔に...(続きを読む)
日本の刑法は外国判決についてどのように扱っているか それでは、今回のアメリカ側の法制度による逮捕は、この一事不再理原則に照らしてどのように考えたら良いのでしょうか。 それを考える参考になる日本の刑法の規定があります。「外国において確定裁判を受けた者であっても、同一の行為について更に処罰することを妨げない。ただし、犯人が既に外国において言い渡された刑の全部又は一部の執行を受けたとき...(続きを読む)
一事不再理の原則 このように一旦無罪判決が確定した元被告人を、全く同じ容疑で再逮捕や再起訴をすることは、日本国内では許されないことです。それは、日本国憲法39条が「何人も、・・・既に無罪とされた行為については、刑事上の責任を問はれない。」と明記しているところで、これを「一事不再理の原則」といいます。 なお、これと類似の原則として「二重の危険の禁止」というものがあります。一旦刑事事...(続きを読む)
ロス疑惑と日本の裁判 いわゆる「ロス疑惑」の三浦和義氏が訪問先のサイパンで逮捕されたことが大きな話題となっています。 私は、このような一市民の私的犯罪を多くのマスコミが大々的に取り上げて大騒ぎすることには賛成出来ませんが(道路特定財源、自衛艦衝突事故、教育改革など大多数の市民の生活に直結するもっと大事な問題が沢山あるはずです)、弁護士として見過ごせない法律問題を含んでいると思うの...(続きを読む)
(第6回) それはともかくとして、Cさんの調書で初めてK子ちゃんの事故前の行動が明らかになりました。ダンプカーがターンした後、工事現場に向けて発進しようとした時、ダンプカーの右後輪後方地点(図面5のア地点)にK子ちゃんが立っているのをCさんは見ているのです。 しかし、その後のK子ちゃんの行動をCさんは見ていないといい、次に見たときにはK子ちゃんがダンプカーの左側後輪に轢かれるところ...(続きを読む)
(第5回) 一方ガードマンCさんの警察での供述調書によると、Cさんはダンプカーを誘導していました。ダンプカーが工事現場から前進して、K通り方向へ左折して停止し、バックして方向転換し、図4の1の地点に停止した時、甲の位置にいたCさんは、アの地点に2〜3歳の女の子が立ち止まっているのを見ました。 ダンプカーはゆっくりした速度...(続きを読む)
(第4回) 事故が起きた瞬間を目撃した唯一の証人である、工事現場監督Bさんは、事故の様子を次のように供述しています。 BさんはYさんが運転するダンプが戻ってくるのを工事現場のところから見ていました。(図3、B地点) 工事現場の前を通過して十中通り方向へ遠ざかったダンプカーが、交差点をK通り方向へ左折して、一旦停止してからバックして後進右折で...(続きを読む)
(第3回) まず、事故当日付実況見分調書の立会人はY運転手、工事現場監督Bさん、そしてガードマンCさんの三名です。三名はそれぞれ、自分が経験した事故の様子を現場で警察官に説明し、それを基に警察官は3枚の現場見取り図を作成していました。 また、運転席から肉眼で見渡せる範囲の図面1(ラインの外側が運転席から見渡せる)と、アンダーミラー(トラック...(続きを読む)
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