- 下村 豊
- 株式会社CSプランナー 代表取締役
- 経営コンサルタント
対象:新規事業・事業拡大
- 下村 豊
- (経営コンサルタント)
ドイツの高級車と言えば、BMW、アウディ、ベンツが有名です。
車のボンネットを開けたことがないほど車に関心がない私でも知っています。
そのドイツ車が、世界中で売れているという記事を見ました。
さすがに、経済危機の欧州では厳しいようですが、アメリカ、中国などで販売を伸ばしているとのことです。
この日本でも、高級車だけとは限りませんが、輸入車が前年対比10%増えています(日本輸入車組合速報)。
また、年明け早々、シカゴのモーターショーでも、今年は高級車の出展が話題になっていました。
では、なぜ、ドイツの高級車が売れているのでしょうか。
ここからは、推測です。
読者の皆様も、考えてみて下さい。
これが正解というものはありませんし、私も知りません。
はずれても構わないのです(もちろん、自分の事業では困りますが)。
市場を考える、創造し、世の中の流れを考えることは、戦略を立てることに大いに役に立ちます。
ひとつには、新興国の成長、世界の自動車市場が拡大していることが挙げられます。
例えば、13億人の人口を抱える中国では、日本の平均所得以上の収入がある人数が、日本の人口近くの8000万人を越えているそうです。
また、ようやくリーマンショックから回復の兆しが見えているアメリカでは、リーマンショックにより控えていた車買い替えが、もう買い換え寿命の時期になったとも言われています。
ふたつめには、冨の二極化が世界中で起こっていることが挙げられるでしょう。
例えば、国内を見ても、軽自動車やハイブリット、エコカーに見られるように、燃費を意識すればするほど、自動車が小型、軽量化してきています。
国内メーカーで、最近、発表された排気量の大きな新型車といえば、クラウンぐらいではないでしょうか。
そうなれば、小型車、エコカー、燃費にそれほど拘らない層が、輸入車の高級車を選択するのは当然のことだと考えます。
それは、日本の中に高級車といえば、ドイツ車というイメージが出来上がっているからではないでしょうか。
BMW、アウディ、ベンツには、日本メーカーのように多様な小型車がない(イメージだけかもしれませんが)、頑丈、性能が良いという神話みたいなものが出来上がっています。
それに加えて、デザイン、内装が洗練されていると思われているのではないでしょうか。
アメリカのGMやフォードは、そのイメージ作りに失敗したか、もともとその戦略が無かったのかもしれません。
なにせ、アメリカ国内の自動車市場は、1500万台規模と言われています。
最近、中国に抜かれたとも聞きますが、ついこの前まで、世界一の自動車市場だったのですから、当たり前かもしれません。
中国から見たら、品質の良い日本でさえ、高級車はドイツ車が売れているとなれば、後追いですが、富裕層がドイツ車を選ぶのは当然の流れではないでしょうか。
早くから中国に工場進出したBMW、アウディは、その布石を打っていたと考えることができます。
最後に、個性化と節約疲れがあるのではないでしょうか。
ある程度、富を得れば、人と違うものを持ちたい。
自分にご褒美をあげたい心理が働くのではないでしょうか。
そこには、誰もがすごいと賞賛するものを欲しがるものです。
それに、ドイツの高級車が合致した結果ではないかと、私は仮説を立てて(推測をして)みました。
あとは、この仮説に基づいて、さらに詳細に調べ、戦略を立てていくのです。
いかがですか。
読者の皆様は、どう仮説(推測)を立てましたか。
新商品、新事業のブラッシュアップや戦略立案について、お気軽にご用命下さい。
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