「相手軸思考発見」⑱転ばぬ先の杖

2013-01-15 05:50

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「もうう～。今頃になってこんな事急に言われたって出来ないよ～」

「ああ～、これもやりたい、あれもやりたい。でも時間がない・・・」

あるショップ店長は、やりたいことがたくさんあるのに、

次々と締め切り間際の仕事を言ってくる上司に不満が爆発しそうになっていました。

そこへ異動してきたのが、昨日ご紹介した、スピード感溢れる凄腕マネジャー！

このマネジャーも，バンバン仕事の指示が来ます。

店長は、またか～結局新しいマネジャーも同じなんだよね～と思っていました。

しかし、3ヶ月ほど経って、あることに気がついたのです。

「あれ？忙しいはずなのに、なんだか私、余裕があるなあ。何でだろう？」

店長は、新しいマネジャーからも次々に指示が来て、忙しい日々を送っていたのですが

何か違うのです。今までのマネジャーとは何かが違いました。

指示される量は同じくらいなのに、なぜ？

「早め、早めにね！」「これは、すぐにやってちょーだい！」

凄腕マネジャーの指示は、早くやっちゃうこと！これにこだわっていました。

勿論、完成度が低いと意味がありません。

完成度にも厳しくこだわっていました。

しかし、このスピード感が、早め早めに行う事が、大きなトラブルを未然に防いでいたのです。

だから、

慌てることもない。緊急事態が起きない。たとえ、起きてもすぐに対処出来る。

例えば、アルバイト不足。明日の心配ではなく、来週のことなので、余裕で対応出来る。

春のバイトの入れ替え。卒業で退職するバイトがいなくなる前に、新人が育っている。

季節ごとのフェア。ずいぶん前から準備をするので、フェアの効果を最大限にするアイデアを検討出来る。

そうか、早め早めだと、時間に余裕が出来るんだ！

やっていることは同じなのに、じっくり出来るから完成度が高くなる。

完成度が高いと、やり直しが無くなるしトラブルも減る。

後始末も尻ぬぐいも全く不要。

そうか、そういうことか！

この凄腕マネジャーも、店長時代は、ごく普通の店長でした。

でも、店長として、たくさんやりたいこと、挑戦したいことがありました。

しかし、上司はそれとは全く違うことを、指示してきます。

それを放置しておくと、自分でやろうと思っておいたことが出来ません。

ならば、さっさと片付けて、自分が考えていることにたっぷりと時間を費やした方が楽しい！

単純に、そう考えていただけでした。

やりたいことをやりたいから、

やらねばならない、と言われたことはさっさとやってしまう！

そのシンプルな姿勢、習慣が、そのまま実績、成果に結びついて行ったのです。

まあ、明日でも良いか・・・

まあ、これは言われてからやろう・・・

そんな気持ちでは、自分がやりたいこと、自分が危機感を持っていることにもチャレンジ出来ません。

このマネジャーの姿勢、ポリシーは、店長にも深く伝わっていました。

自分がさせたいことだけではなく、店長が自ら気がついて、

やりたいと思っていることに、ちゃんと時間を与えていたので、

今までもやるにやれない悶々とした気持ちを、仕事で解決することが出来たのです。

マネジャーは、店長に「時間の余裕」という環境を与えていたのです。

マネジャーの仕事は、「転ばぬ先の杖」です。

大切なことは、指摘だけでなく、具体的に動かさねば解決しません。

その為には、「時間」を作る、与えることが一番のキーポイントなのです。

「時間」は、最初から自分で作るのは大変です。

そこのサポートを行う事の大切さを、このマネジャーはよく理解していました。

転ばぬ先の杖は、相手の為の相手軸です。

相手に高い成果を出させる為に、余計な作業を極力防ぐ。

そういう環境作りも、相手軸思考の秘めたるパワーなんですね。