- 井門 隆夫
- 株式会社井門観光研究所 代表取締役
- 東京都
- マーケティングプランナー
対象:イベント・地域活性
- 宮崎 隆子
- (日本産精油スペシャリスト)
- 宮崎 隆子
- (日本産精油スペシャリスト)
崖っぷちの年
2013年。いよいよ「崖っぷちの年」が明けました。
2014年4月から段階的な消費税アップが予定され、来年以後、消費の冷え込みは自明であるからです。インバウンドもなかなか復活が見込めず、今年は一層の内需喚起が求められる年になるでしょう。
しかし、過度な心配は無用です。増税前の駆け込み需要もありますし、円安で海外旅行からの回帰も見込めるからです。
ただし、それも今年まで。そのため今年は、自らの事業モデルを再度みつめ直し、イノベーションを図る年にすべきです。金利がじわりと上がり、ただでさえ、立ちいかなくなる旅館も少なくなくなります。
サービス・イノベーションを
サービスのイノベーションには2つの方法があります。ひとつはサービスの「カスタマイズ化」。お客様一人ひとりの深層心理をくみ取り、臨機応変なサービスを展開するもので、日本では元来「おもてなし」として尊ばれてきたサービスのあり方です。
もうひとつは、サービスの「ユニバーサル化」。こちらは広く浅く、より多くの方にサービス機会を身近に提供しようとするものです。必要最低限のサービスに限る代わり、価格を安くする手法が最も典型的です。
皆さん、お考えの通り、ここ数年は、サービスのユニバーサル化が圧倒的でした。旅館も航空会社もレンタカーも、ローコストプレイヤーの参入により市場は活性化してきました。
しかし、カスタマイズサービスの価値が忘れ去られ、何もかもがユニバーサル化していくとしたら、それは市場のイノベーションとしては片手落ちです。
例えば、旅館において、チェックイン・アウトの時間をもっと柔軟にできないでしょうか。食事の時間や献立、部屋の選択等、サービスの幅をもっと広げられないでしょうか。それを無理と考えているからこそ、ローコスト化へとまっしぐらとなっているような気がします。
消費には「自分のための消費」と「他者のための消費」があります。「他者を慮るためのサービス」にぴったりなのがカスタマイズサービス。もう一度、自らが提供するサービスの価値を見つめ直すところから一年を始めるのはいかがでしょうか。
(トラベルニュース「井門隆夫のCS宣言」1月1日号)
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