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大澤 眞知子
大澤 眞知子
(カナダ留学・クリティカルシンキング専門家)
大澤 眞知子
(カナダ留学・クリティカルシンキング専門家)

閲覧数順 2024年04月24日更新

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「子供をバイリンガルにしたいです。親として出来ることを教えて下さい。」

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下記のご質問を直接いただきました。

1)父親が外国人(英語母国語ではない)、母親が日本人(英語は初級レベル)、子供が3歳で英語教育を本格的に受けさせたい。
2)日本の幼児英語教育のDVDを見せていたが、3歳頃から興味がなくなり英語が嫌いと言い始めた。 
3)母親は焦りを感じ、英語のCDやDVDを見せ、自分のつたない(恐らく日本人英語)で語りかけている。
4)子供の英語教育に対して親として出来ることは何でしょうか。
(2歳の時からInternational Preschool に通っているとのこと)

同じテーマで興味のある方はずいぶんたくさんいらっしゃると思いますので、コラムにて回答致します。

まず、コラム「うちの子バイリンガルにしたいんですけど」をお読みください。

質問1)について、ご両親のどちらもが英語母国語でないということは、日本語と英語のバイリンガルにすることはほぼ不可能だと思います。 日本語と父親の母国語となら、「うちの子バイリンガルにしたいんですけど」でも説明しておりますように、生後6カ月位までに環境を整えていたら、可能です。

残念ながらこれは科学的に証明されていることですので、少々の個人差はあれど、非常に難しいですね。

2)これも、以前に回答したことをお読みください

英語が嫌いになった、興味がなくなったというより、他に興味がどんどん湧いてきたのだと思います。 その興味を否定せず、英語を無理強いせず、脳の自然な発達を助けてあげることが大切だと感じます。

幼稚園などではお友達もいるでしょうし、英語というよりも、活動そのものには興味を持っているかも知れませんね。

英語教材に出て来るキャラクターも、英語を使うというより、キャラクターそのもの、または背景に何らかの興味を示しているだけだと思います。 

例え、3歳の脳が「違う音が聞こえる・・」と英語に反応したとしても、それは単に、他に外から聞こえて来る「妙な金属音」「初めての歌」「知らない人の声」と同じ捉え方しかしていないと考えます。 

3)決して無理強いしないでください。 それと、日本のお母さんがカタカナ発音で、間違った英語の話かけをすることには、悪影響しか考えられませんので、必死にならずに日本語の文章で、話しかけてあげて下さい。 感情豊かにお話を読むとか、子供がきちんと日本語の文章で話すのを奨励するとか、日本語母国語のお母さんにしか出来ないことをやってあげて下さい。

4)まずは、子供が周りの環境からいっぱい刺激を受けて、それに反応していくのを助けてあげることですね。 英語は、International 幼稚園の遊び程度で止めておいて。 

脳がきちんとネットワークを組んで、大きく発達し、母国語の日本語(父親の言語も?)を文章できちんと話せるようになったら(大体10歳程度)、その脳に一番合った英語の勉強方法で再挑戦させてあげて下さい。

そこから英語を始めた教え子たちは、もちろんバイリンガルとまでは行きませんが、カナダ、アメリカの大学、大学院を卒業し、世界中で活躍しています。

*早期英語教育の悪影響もご紹介しておきます。
(これは科学的な研究でも報告されていることです。)

無理やり2ヶ国語で育てようとしたのはいいけれど、どちらも中途半端になってしまう Semilingualism という症状です。 バイリンガルに育てるのに必要な環境(24時間その2ヶ国語のNative Speaker とのinteractionが必要)の不十分なまま、例えば、家ではお母さんが日本語で育て、幼稚園は英語の幼稚園に行くけれど、英語だけのコミュニケーションが100%出来るわけではないので、何となく発音だけわかって肝心な英語言語の方はかたこと程度のままで止まるケースです。

どちらの言語も中途半端で、自分を正確、十分に表現出来る手段を持たない脳になってしまう可能性があります。 

私も1例、悲惨なケースを扱ったことがあります。 その生徒は、幼稚園まで英語を公用語とする小さな国で育ちました。 父親はその国出身。 母親は日本人で、家庭では常に日本語を使っていました。 Semilingualism が顕著になってきたのは、中学生くらいですね。 日本語も英語も満足に書けません。 英語の発音はきれいですが、broken な英語しか使えません。 動詞の形もめちゃめちゃです。 もちろん自分の考えを述べることなど、英語でも日本語でも出来ません。 漢字の読み書きも苦労どころか、満足に出来ません。 言語の迷子になっているようでした。

もちろん、これはこの子供特定の環境から来た特殊な事例かも知れませんが、アメリカなどの移民の子供たちにSemiligualism多く現れているのを考慮すると、「中途半端な2ヶ国語教育」には、子供の言語発達を損なう可能性があることは否定出来ません。

確かに、今の時代、英語が出来ることは絶対的に必要なことですが、大切な子供の脳の発達を犠牲にしてまで、効果のない方法を続けるべきではないと考えます。
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カナダの小・中・高校の教育課程を基にした指導をしています。
クリティカルシンキングの基本が出来た生徒は「カナダの小さな町での留学・ボランティア」
Super World Club (大澤眞知子、Robert McMillan) 

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カナダ 在住。パンデミック後のNew Normal 留学をサポート。変わってしまった留学への強力な準備として UX English主催。[Essay Basics] [Critical Thinking] など。カナダから日本に向けての本格的オンライン留学準備レッスン・カナダクラブ運営。

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