- ウジ トモコ
- 代表取締役 アートディレクター
- 東京都
- アートディレクター
対象:ホームページ・Web制作
- 原島 洋
- (Webプロデューサー)
- 井上 みやび子
- (Webエンジニア)
美大受験を目指す中学生の娘は最近、絵画アトリエで石膏デッサンを習い始めました。
『石膏デッサン』ご存知ですか?
デッサンの中でもとてもアカデミックなものですが、なかなか奥深い。
表現者が対象の本質をとらえ、描く技術を磨くための基本練習です。
弊社で今一番の描き手と言えば、美大の現役大学院生のTさんです。先日も彼女と「『石膏デッサン』って難しいよね」という話で盛り上がりました。
初心者は、どうしても細部(ディテール)にばかり目がいってしまう。目の前の現象に踊らされずにカタチの本質を捉えるのは難しいのです。
基本はこうです。(デッサンをした事のある方ならもちろんごく当たり前の事ですが・・)
位置決め・・・画面の中に、大きな形のポイントとしての支点をとりながら、構図を決めていきます。あとから直せない一番重要な事です。
形と形の関わりをとらえる・・・関わりを把握する事で、大きなカタチをとらえ、そこからどのような力が生まれているかを探っていきます。
量感をだす・・・よく言われるのは「表面を描きながら裏面を描け」ということです。表面的なものだけにとらわれず、物の本質を探ります。
陰影・・・白い紙に描くデッサンであれば、陰を描く事で光を描きます。
細部(ディテール)・・・よく、デザインの魂は細部に宿ると言われますが、本質を捉えながら描き手の主題やらしさが伝われば、それは作品といえるでしょう。
年初めにパリのルーブル美術館に十数年ぶりに行きました。
今までは若気の至りでポンピドーセンターあたりを自分の居場所と決めていたようなところがありましたが、改めてアカデミックな芸術にふれ、心から感動しました。
もちろん、美術品は、以前と何も変わっていません。
絵に限らず、作って差し出すすべての仕事であれば
「何を受け取れるか」で「何を渡せるのか」が決まってしまいます。
自分の成長を少しだけ感じた瞬間でした。