- 羽柴 駿
- 番町法律事務所
- 東京都
- 弁護士
対象:刑事事件・犯罪
- 羽柴 駿
- (弁護士)
- 羽柴 駿
- (弁護士)
一方ガードマンCさんの警察での供述調書によると、Cさんはダンプカーを誘導していました。ダンプカーが工事現場から前進して、K通り方向へ左折して停止し、バックして方向転換し、図4の1の地点に停止した時、甲の位置にいたCさんは、アの地点に2〜3歳の女の子が立ち止まっているのを見ました。
ダンプカーはゆっくりした速度で発進し工事現場方向に向かったので、Cさんも工事現場に戻ろうとして車の後を追いました。その時には女の子はどこにいたのかは見ていません。その後、車が交差点を過ぎたあたりで、Cさんは目の前で、ダンプカーの左後輪にその女の子が巻き込まれ轢かれるのを見ました。その直後、Y運転手も気がついて車も止まりました。
後に述べるように、Cさんは実はこの事故のキーパーソンともいうべき人物であり、公判においても最も重要な証人となるのですが、捜査段階ではこの1通の調書が作成されているだけのようでした。そこから推測すると、捜査、起訴を担当した検察官はCさんを被疑者として取り調べなかっただけでなく、参考人として検察庁に呼ぶこともしなかったようです。私にはそのことも捜査の不十分さと思えました。
(次回へ続く)