- 澤田経営研究所 澤田和明
- 澤田経営研究所 代表
- 群馬県
- 経営コンサルタント
対象:経営コンサルティング
- 戸村 智憲
- (経営コンサルタント ジャーナリスト 講師)
(1)流動比率(流動資産/流動負債)
定義…流動資産と、流動負債のバランスから、会社の支払能力を見る指標。流動資産が流動負債よ
り多くなければ、会社の資金繰りは苦しい。
格付けが「正常先」であるとみなされる値
1項目だけで「正常先」かどうかという格付け基準にはならないが、170%以上有れば良好とい
って良い。
分析のポイント
この比率が良好であれば一応資金の流動性が高く、支払能力有りと見て良いが、絶対的とは言い
切れないので、以下の内容の検討を要する。
・受取手形と支払手形のサイトの比較
・売掛金と買掛金の決済期間の比較
・棚卸資産の中の不良在庫の有無の確認及び実質価格評価
・仮払金や未払金の中身の検討
この比率が悪い場合(100%以下)は、流動資金で固定資産を賄っている場合が多く、台所は
火の車。経営計画に基づく長期資金の導入をすべきである。
(2)当座比率(当座資産/流動負債)
定義…換金性の高い現・預金、受取手形、売掛金、短期貸付金及び一次所有の有価証券を当座資産
といい、これと流動負債とのバランスから当面の支払能力を見る指標。流動資産のうち、早く現
金化する当座資産だけを考慮するので、正味の確実な支払能力が掴める。
格付けが「正常先」であるとみなされる値
1項目だけで「正常先」かどうかという格付け基準にはならないが、100%以上が望ましい。
分析のポイント
この比率が良好でも、定期預金・定期積金などの拘束性預金や長期サイトの受取手形、焦げ付き
債権があれば支払能力は万全とはいえないので、定期預金や有価証券の半分を当座資産と見てい
る堅実な企業もあるほど。この比率が悪い場合(80%以下)は、過剰な在庫を抱えていること
が多い。また、経費として資金流出が大きい場合は、当座資産の滞留する余裕がなくなる。