- 塚本 有紀
- フランス料理・製菓教室「アトリエ・イグレック」 主宰
- 大阪府
- 料理講師
対象:料理・クッキング
- 黄 惠子
- (料理講師)
12月の製菓基礎講座のために、渋皮煮を作っています。
鬼皮を剥き水につけ、何度も茹でこぼして、何回もにわけて砂糖を含ませる作業を、2~3日かけて行います。
重曹は使わずに、ゆっくりと渋を抜いていきます。皮は若干厚いかもしれませんが(重曹を使うと皮の色が抜け、渋皮自体も柔らかく、薄くなるようです)、そのぶん栗の風味はたくさん残ると思います。
栗は早い時期に煮てしまったほうが虫食いが少ないので、早くやらねばと思いつつ、月日が流れます。毎年うかうかしているうちに虫食いの時期になり、慌てて夜なべ仕事で作る、というのが毎年のこと。そしてこの時期、いつもにまして忙しいのです(なぜか)。
今年はモンブランを作ったので、よいスタートが切れました。
先日、今はもう関東に引っ越してしまわれた、かつての生徒さんからメールが来ました。
4年も前に作った渋皮煮をあけてみたら、しっかりと栗の風味が残っていたというのです。
「4年たってもこんなに美味しいとは! 驚きました」
私のほうこそ驚いてしまいました。そんなに風味が保つということも驚きですが、それだけの間保つだけの高い水準で殺菌された、精密な仕事ぶりにも驚いてしまいました。
「さすが・・」
私はといえば、毎年作っても作っても授業で使ってしまい、1瓶まるごと残ることはありえません。途中で残ったものは渋皮のモンブランに変えてしまいます。1年どころか、1シーズンくらいしか、保たせてみたことがないのです。だからそこまでの完璧な殺菌状態にあるのかといえば、甚だ不安。
「素材に向き合う姿勢を教わった」と感謝の言葉で結ばれていましたが、そのことをお知らせ下さった温かさに、私のほうこそ感謝の気持ちです。
ちょっと液体が足りませんでした。(これもまた完璧な仕事とはいいがたい・・)
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