セルフビルド - 新築住宅・注文住宅 - 専門家プロファイル

増井 真也
建築部門代表
建築家

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対象:住宅設計・構造

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埼玉県さいたま市にて進行中のUさんの家にてセルフビルドお手伝い。ウッドデッキに使用するレッドシダーなる材料に、オスモの外部用保護塗料を塗装した。レッドシダー、日本名「米杉」は北米で採れるヒノキ科のネズコの一種と類似した材料で、いわゆる日本の杉とは異なるのだが、この材料の特徴はなんと言っても耐久性。たいしたメンテナンスを行わなくても外部のウッドデッキなどの材料として10年ほどは持つという、非常に優れた特性を持つ。例えば国産の杉などを利用した場合、メンテナンスを行わなければ5年程度で腐りはじめてしまい、ひどい場合には床の板が抜け落ちたりの危険もあるのだ。

約60本ほどのツーバイフォーの材料に塗装を施すのに要する時間は、参加する人数にもよるが、大体丸一日といったところであろう。人工で言えば約2人工=50000円程度といったところか。もちろん塗装屋さんに請負で発注すれば、そこに塗装会社の利益ものっかってくる訳であるから、実際のコストダウン効果というのはそれ以上に大きい。もちろん塗装屋さんでなければ行うことの出来ない専門技術を要する塗装や、吹き付けなどの機械の必要な塗装は行うことは出来ないが、今回のような「誰でもできること」であれば、体力と気力がある人であれば自分でやれば良いと思っている。はじめてのことなので不慣れな点は、作業初めの段取りの部分においてますいいのスタッフがフォローすれば良い。作業が進むにつれて、慣れてくれば作業はますます進むようになる。はじめの一歩、この点さえしっかりとお手伝いしてあげることで、誰でもできるのである。

そもそも自分自身が住む為の家なのに、家造りに実際に参加することは難しいという現在の社会の仕組みに疑問を感じる。確かに保証の問題などを考えれば難しい点もあるかもしれないが、でも自分でやった塗装が多少ムラがあったりの問題があったとしても、それに対して保証も何も無いのではないかの至極人間的な考えをなぜ持つ事ができないのであろう。どんどんと複雑化する社会ではあるが、家なるもの、何百年も前からその作られ方も使われ方もたいして変わっていないのである。社会の仕組みの進化にともなって、生活が便利になったりの恩恵を受けていることは確かであるが、でも経済活動から離れた家族の暮らしという、人間の尊厳のようなものまでをも画一化するのはどうかと思うのだ。

詳しくはhttp://www.masuii.co.jp/