3 持戻しの免除
特別受益の制度を回避するには,「持戻しの免除」という方法があります(民法903条3項)。
この方法は,被相続人の意思で,相続人が被相続人から生前贈与により取得した財産をみなし相続財産に合算しないことを認めるものであり,後継者が遺産分割の際に取得できる財産が増えます。
特別受益の制度は,共同相続人間の公平を図ろうとするものですが,それは,あくまで被相続人の意思に反しない限りにおいてであると考えられています。
そこで,被相続人の意思が,後継者である特定の相続人を特別扱いするというものであれば,その意思が尊重されます。すなわち,被相続人のそのような意思が明らかであるならば,生前贈与を考慮せず,また,遺贈を除外した残りの財産を対象に,遺産分割を行うことも可能になります。
このコラムに類似したコラム
特別受益の評価方法 村田 英幸 - 弁護士(2012/10/01 08:51)
再転相続の際の遺産分割 村田 英幸 - 弁護士(2012/09/29 15:53)
子どもら名義の預金の取扱いにご用心 酒井 尚土 - 弁護士(2014/05/14 10:16)
債務と相続 佐々木 保幸 - 税理士(2013/05/11 23:00)
預金と遺産分割 佐々木 保幸 - 税理士(2013/05/09 22:43)