- 志田 茂
- 志田茂建築設計事務所 代表
- 東京都
- 建築家
対象:住宅設計・構造
木造住宅全面改修の意味と問題 [ 高輪の家-1 ]
-
1戸建て木造住宅のリノベーション(全面改修)
1戸建て木造住宅のリノベーション(全面改修)工事が始まっています。
内部は構造体を除き、全て解体撤去します。 それによって構造補強と断熱材の強化を行います。もちろん目的は、内部を一新する事で、不便だったそれまでの暮らしを快適に、思い描いて暮しを実現する事です。
内部を全部解体する事の意味
リフォームで、部分的に、ひと部屋ふた部屋を内部を解体して工事する事はよくある事です。ですが、構造補強する目的があるとすると、それでは部分的な補強しかできず、やらないよりはよいのかもしれませんが(・・・あくまで、「かも」)、家全体の補強とはなりません。
内部全部を解体すると、家全体で構造の計算を見直し、現在の基準に則した方法で 構造補強ができます。また、同時に断熱材を最新の物に入れ替える事になりますので、家全体の断熱性の強化も行う事ができます。
古い家の場合、家の図面がない事が多くあります。全面的に改修工事を行うという事は、その家の「設計図」として図面が作られます。これは、貴重な資料となり、それから先の補修にとって、また将来 「家を売りたい」 という時にも重要になります。
内部を全部解体する事の問題点
内部を全部解体する事は、家にとってとても重要なのですが、問題が2つあります。
1つは・・・
それ相応の工事費が掛る事。
もう1つは・・・
住みながらの工事ができず、一度別の場所に引っ越しをしなければいけないという事。家の大きさや内容にもよりますが、約3カ月ほどは工事期間として考えておく必要があります。
**
変えようとする事はやりだせばきりがなく、屋根も外壁も となれば、新築と同様の金額になってしまいます。
・何をやりたいのか
・何をやるべきか
その判断と優先順位をつけ、予算的にも可能であれば、全面的に改修する事をお勧めします。
このコラムに類似したコラム
home 家の先にあるもの 志田 茂 - 建築家(2014/01/05 08:00)
リノベーションの意味 志田 茂 - 建築家(2013/11/05 18:00)
家作りとは家を仕立てるという事 志田 茂 - 建築家(2014/01/04 08:00)
杉板は安っぽい? 志田 茂 - 建築家(2013/12/30 15:44)
ゆったり時間が流れる暮しの心地良さ 志田 茂 - 建築家(2013/07/01 18:37)