- 仲吉 厚志
- 一級建築士事務所シンクロ設計 代表
- 東京都
- 建築家
対象:住宅設計・構造
梅雨の明けた沖縄の暑さはかなり厳しいものがあります。
同じ大きさの建物が2棟あります。
よく見ると、
一つの建物は打ち放しで、もう一つの建物との表面素材の違いに気がつきましたか?
もう一つの方(手前側)は木毛セメント板(※1)に近い素材です。
この素材は建築の下地材として広く使われている材料ですが、コンクリート造の型枠として、壁の内外の両面に使用する事によって、断熱性を発揮してくれます。
この8帖の建物はそれぞれの建物内の温度を測定する為の実験住宅です。
内部にはエアコンと窓が設置されていて、それぞれの電気の使用効率が測定されるようになっています。今年行われた測定では木毛セメント板の方の建物の電気の効率が25%くらい打ち放しの建物に比べて勝っていたようです。
コンクリートに使用する他の断熱材より優れている点は、水はけがいいため、コンクリートの強度を上げる事や直接ビスや釘が打てる施工性、吸音効果がある事などです。
私はこの材料を遮熱塗装と組み合わせて、PIANOMAN HOUSEに使用する予定です。
※1 (木材をリボン状に切削し、セメントと練り混ぜ、圧縮成型し 板状にしたもの)