- 中山 峰生
- 建築家
対象:住宅設計・構造
私たちが、欠陥住宅の「欠陥」の意味を考えるとき、「雨水が漏る」とか、「家が傾いた」ということを思い浮かべます。
でもこれらは現象として現れたもので、欠陥の全てではありません。
そのような現象を引き起こした原因たる事実を含めたもの全てが欠陥です。
例えば屋根から雨水が漏るという場合、その原因として屋根板金が破れたためにそこから雨水がもれる場合もあれば、屋根勾配を十分にとらなければならない屋根材を使いながら、勾配を十分にとらなかったために雨漏りをした場合もあります。
このように、現象面では同じ雨が漏るという状態であってもその原因はまったく違うところにある事も考えられるのです。
それゆえ、欠陥を判断する場合は、現れた現象にのみとらわれることなく、その現象を引き起こした原因について判断する事が必要となります。
そのためには、建築に精通した専門家の意見を聞くことも重要なことではないでしょうか。
次回からは、私が実際に遭遇した具体的な欠陥事例を、紹介することにいたします。