数ある建築基準法に定める道路の内、
特に見受けるのが1項1号、1項5号、2項道路
ではないかと思います。
この3種類の基準法上の道路について、
注意ポイントを紹介していこうと思います。
まずは、位置指定道路といわれるものですが、
これは建築基準法の42条1項5号道路のことです。
コラム:道路調査の注意点【建築基準法の道路とは②】では、
http://profile.ne.jp/w/c-80721/
特定行政庁が位置の指定をした幅員4m(6m)以上の私道と、
簡単に説明をしていますが、もう少し細かな決まりがあります。
・幅員が4m以上あること
・角切り両側に設けること
・道路形態や道路境界が明確であること
・排水設備が設けられていること
・原則として通り抜け道路であること
・行き止まり道路の場合は、その延長が35m未満であること
・35m以上の場合は、35m以内ごとに自動車の回転広場を設けること
・道路の関係権利者の承諾が必要であること
などです。
分譲業者が大きな土地を仕入れた際、そのままでは相場的・価格意的に
買手が付きづらいなどの理由から、売れやすい広さの土地に分割し、
購入しやすい価格で販売する為に分割します。
分割の際、画像①のように道路に接道させることが困難な敷地形状であったり、
無理に接道させると変な敷地形状になってしまったりすることもあります。
そのため、区画ごとの坪単価は上がっても買手が付きやすいといことから、
画像②のように新たに建築基準法の道路を造り、建築や居住に向いた敷地形状、
購入しやすい価格設定に分割し販売されている分譲地がよくあります。
もちろん、何らか(建て替えや売却時の調査など)の際に、
未接道であることが判明したので、敷地を接道させる為に
位置指定道路の申請をしているケースもあります。
細かな条件があるので、それらを満たし告示を受けた、
最近の指定・築造られた位置指定道路というのは、
境界などもハッキリしていて、未接道による建築不可や
敷地面積の減少などの問題は、まずないと思います。
しかし、建築基準法が施行されたのは昭和25年です。
昭和20年代、30年代、40年代とかなり古い物もあります。
資料が古い程、建て替えなどの繰り返しで道路と敷地の境界が
ズレてしまったり、道路の申請内容と実際に造られた道路とに
差異が多く見受けられます。
この場合、建替え・新築時には、本来の指定された道路部分を復元する必要があり、
これによって敷地の有効面積が減少することや、敷地が接道していない建築不可
であることが判明することがあります。
特に、この建築基準法の42条1項5号(位置指定)道路には、調査によって
未接道・建築不可の可能性や問題を抱えている物件を多く発見します。
位置指定が古い程、図面と現況に相違などはないか、しっかりと確認をすることが重要です。
次から実例をふまえた位置指定道路の注意点を紹介していきます。
■道路調査の注意点【建築基準法の道路とは①】
http://profile.ne.jp/w/c-80720/
■道路調査の注意点【建築基準法の道路とは②】
http://profile.ne.jp/w/c-80721/
■位置指定道路の注意点①【位置指定道路とは】
http://profile.ne.jp/w/c-80976/
■位置指定道路の注意点②【私道であることについて】
http://profile.ne.jp/w/c-81004/
■位置指定道路の注意点③【未接道・建築不可:突き当たりの敷地について】
http://profile.ne.jp/w/c-84148/
■位置指定道路の注意点④【未接道・建築不可:指定された道路位置のズレについて】
http://profile.ne.jp/w/c-84803/
■位置指定道路の注意点⑤【未接道・建築不可:測量士の間違い】
http://profile.ne.jp/w/c-84815/
■位置指定道路の注意点⑥【建築線による想定外とは】
http://profile.ne.jp/w/c-84881/
このコラムの執筆専門家
- 藤森 哲也
- (不動産コンサルタント)
- 株式会社アドキャスト 代表取締役
将来必要なお金を把握せずに、家を買うのって怖くないですか?
売ってしまえば終わり・・・になりがちな不動産業界の現状に疑問を抱き、不動産購入には欠かせないお金の勉強をスタート。FP資格を取得。住宅購入に向けての資金計画、購入後の人生設計までトータルにサポートする「一生涯のパートナー」を目指しています。
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