- 増井 真也
- 建築部門代表
- 建築家
対象:住宅設計・構造
2008年に千葉県市川市にて建築した家である。約2000万円のコストをかけて33坪ほどの床面積の住宅を建てた。床には埼玉県秩父産の正規に床材として販売されている杉板を用い、ロフトの床を構成するスノコ材には赤松の下地材を仕上げ材として利用する為にクライアントご自身でやすりをかけた材料を用いた。壁はますいいでよく登場する高知県土佐市にて生産している田中石灰工業のタナクリームである。もちろんこれもセルフビルドを利用している。そのほかにもイケヤのキッチンなどこだわりとコストのバランスを旨く構成するための工夫が随所に施されている。
これこそが意匠設計とコストコントロールの実践ということになるのである。工務店機能を持つからこそ、職人と直接つながっているからこそ出来ること、さらに言えば私たちが設計者としてだけで無く、ときには職人に代わりクライアントのセルフビルドのアドバイザーとなるなどの経験があるからこそ出来ることではあるのだが、でもそれが出来なければやっぱりローコスト住宅に係る資格は無いように思うのである。