「派遣業はピンチの時代? チャンスの時代?」 - 経営戦略・事業ビジョン - 専門家プロファイル

小岩 広宣
社会保険労務士法人ナデック 
社会保険労務士

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対象:経営コンサルティング

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閲覧数順 2024年04月17日更新

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 「派遣業はピンチの時代? チャンスの時代?」

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 昨今の景況は低迷基調にあるとはいえ、大企業の多くはまだまだ業績好調です。正社員雇用志向に拍車がかかると、派遣業界の成長も曲がり角になるのでは、という声も聞かれます。

 また、違法な請負を撲滅させようとする行政の動きは活発化してきており、請負事業の取り締まりは、今後も強化される見通しです。

 偽装請負を撲滅させてコンプライアンスを遵守していくことは、最も大切なことですが、業界全体が心理面でピンチの時代に立たされたという実感を持っている空気も感じられます。

 一方で、人材ビジネスで起業したい人の層の拡大もかなり進んでいます。ひとことでいいますと、「低年齢化」と「異業種化」が顕著です。

 「低年齢化」は、派遣業を起業したい人の年齢のこと。派遣元責任者の要件を満たさない(成年後3年以上の雇用管理の経験が満たせない)人からの相談が相次いでいます。

 「異業種化」は、すでにコアとなる事業で成果を挙げていて、その事業とのマッチングによる顧客拡大やシナジー効果を狙って人材ビジネスに進出したい人の層に顕著です。

 以前までは派遣会社での勤務経験を活かした脱サラ型が主流を占め、ひとつの成功パターンでしたが、コアビジネスとのコラボレーションによる事業拡大を志向する新しい傾向が増えてきているようです。

 優秀で責任感のある派遣社員を求める企業のニーズは衰えていませんし、派遣社員として誇りをもって就業するという働き方は、すっかり社会に定着した価値観だといえるでしょう。

 そういった時流を踏まえて、新たな角度から派遣業に関わるビジネスを構築していこうとアイデアを模索する動きは、いっそう大きくなってきているように思います。

 派遣業界は一見するとピンチの時代。でも、コンプライアンスをしっかりと守って、新たな切り口で時代に挑んでいこうとする人にとっては、むしろいっそうチャンスの時代になってきているといえるでしょう。