- 星 寿美
- プラウドフォスター株式会社 代表取締役
- 東京都
- 経営コンサルタント
対象:新規事業・事業拡大
- 下村 豊
- (経営コンサルタント)
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いろんな角度で
「決断の質」という視点を持つ事は
とても大切な事だと再確認した。
「質」にはいろんな種類があるが
昨日ご紹介した、
決断という技術
P.66
「空気が最終結論にならない為には」
の中に、実例が載っていた。
稟議書はハンコが10個くらい並ぶ。
下っ端は先輩に草案を見せると
たくさん赤を入れられ
上司に持って行くと、
さらに筆を入れられ、
課長のところに持って行くと
「これは変えた方がいい」と言われ、
それを反映して持って行くので
部長のところに行く頃には
なんだか良く分からないものになり
「もう、自分が作ったものじゃないや」
と無責任な気になる。
誰一人、責任を認識しないようになった後
決まって行く。まさに決定者は空気。
こういう文化を変えるのは難しい。
だから、組織において、空気的なものが
最終的な結論にならないシステムを作って
変革していくことだ。
ここで実例。
水野氏がコラーに参画した当初
パートナーは5人だった。
投資の決定には、
全パートナーの過半数の賛成を必要としていた。
ファンドが大きくなるにつれ
パートナーが10人に増えた。
すると、意見の分かれる難しい投資案件は
はっきりした意見を持たない人が
キャステングボードを握るようになった。
なぜなら、強い賛成3名と強い反対3名の時に
残り4名がどちらにつくかで決定するから。
何か目に見えないものが決定権を持っているような
違和感を覚えた。
そしてある日、創業者のコラーが
「最近、決定の質が低くなっているんじゃないか」
と言い出した。
そして、
投票できる権利を3人に集中したという。
その結果、
決定に関する責任はより明確になったし
決めると言う重圧から解き放たれた
残りのパートナーたちは
今までより尖った批評をするようになった、と。
この実例は
様々な示唆を含んでいると私は感じた。
これは一つの実例に過ぎないが
決定者を極めて少なくし、
決定の責任を負うというのはアグリーだ。
また、その決定者が、
・どれだけマクロな視点とミクロな視点を
持ち合わせているか。
・その決定に関して、どれだけ
立体的に捉えているか。
・最終ゴールと、その先まで
どこまで遠くまで明確に見えているのか。
という点も質に大きく関わると
私は補足として感じた。
特に、弊社のようなベンチャーは
この実例のような稟議書などの決定の仕方は
ない。
しかし、「決定の質」は
意識し、クオリティを高めていきたいと再確認できた。
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■今日のまとめ
・決定の質を上げる為に、
決定者を極めて少なくし、
決定の責任を明確にすることは
非常に有効なシステムの一つ。
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