- 桐 正和
- 漢方薬誠心堂 学芸大学店 店長
- 薬剤師
対象:薬・漢方薬
- 西野 裕一
- (薬剤師)
- 西野 裕一
- (薬剤師)
私ども誠心堂薬局で取り入れている、周期調節法と補腎薬について取り上げたいと思います。
まず、周期調節法とは?
月経サイクルによって、生理期間中(生理期)、生理後(卵胞期)、排卵前後(排卵期)、生理前(黄体期)
の状態があります。その時期により女性のホルモンの状態(エストロゲンやプロゲステロン等)が変化します。
それにリズムに合わせて服用する方法が周期調節法です。
本場中国では、以前より取り入れられてきましたが、日本で取り入れられるようになったのはここ最近の事です。
最近普及し始めているこの方法は、従来の同じ漢方薬を服用するケースよりも、
より早く妊娠に繋がるケースが増えているので注目されています。
生理期
→不要になった内膜を剥がし体外に排出させる時期ですので、スムーズな経血の排出を目的に
漢方薬を使用します。また、月経痛などある場合は、対応した漢方薬を使用します。
卵胞期
→卵胞を育てる時期ですので、栄養(気・血・水)を与え卵胞の育ちを助ける漢方薬を使用します。
排卵期
→排卵をスムーズにさせ、黄体期(高温期)への移行を助ける漢方薬を使用します。
黄体期
→黄体ホルモンの作用により内膜を厚くし着床を助け、更にお黄体期を安定させ、
妊娠の維持をサポートする漢方薬を使用します。
この周期調節法ともう1つ大事な物が、「補腎薬」です。
「補腎」とは、五臓六腑の1つの「腎」の機能を高めるという意味合いです。
「腎」とは?
成長・発育・老化・ホルモン・生殖・水分代謝・骨・骨髄・脳の働き・耳等と関係があります。
特に、女性の場合は7の倍数でこの腎の働きが変化します。(男性は8の倍数)
例えば、14歳で月経が始まり、21歳で妊娠しやすい状態になり、28歳が生殖能力のピークに至り、
35歳頃から少しずつ衰え始め、49歳で閉経を迎えます。
つまり21歳~35歳が妊娠に適している年齢であり、それ以降では段々妊娠しづらくなります。
ここ最近、テレビや新聞等でも取りあげられる事が多いが、35歳頃から「卵の質の低下」すると
言われています。
まさにこれが「腎」の働きの事を表しています。
そこで、少しでも「腎」の機能を高められるよう使用するのが「補腎薬」です。
「補腎薬」には様々なものがありますが、中でも良く使用するものは、
「プラセンタ」や「鹿角」や、「亀板」等の動物性生薬です。
動物性のものは、植物性のものに比べ、ホルモンバランスを整えたり、生殖器の機能を高めたりする
働きが優れています。
体質により使用するものは様々ですので、気になる方は是非1度ご相談下さい。
誠心堂 学芸大学店
03-5768-4193
桐 正和