- 鈴木 克彦
- 株式会社マクス 代表取締役
- 建築家
対象:住宅設計・構造
でも、実際にはまだまだ知られていない存在。
良く知らずに憧れだけで取り付けると、とんでもない事に…
そこで、シリーズで薪ストーブに関する事を書いてみようと思います。
第一回目は、法律のお話し。
法律違反とならないよう(無用なトラブル防止にもなります)、正しい知識を身につけましょう。
と言っても、日本には薪ストーブの需要自体が小さいため、薪ストーブや暖炉に関する法律は、無いと言っても過言ではありません。
米国やオーストラリアやヨーロッパなどでは、国毎に、ストーブの設置基準・気密性・排煙時の煙など、様々な法的規制があります。
日本では、薪ストーブを設置する場合、台所等と同じく、「火気使用室」となり、''内装制限''(壁と天井の仕上げを燃えない素材にすること)が適用されます。
ちなみに、長野県では、県が林業保護と自然環境保護の理由から、ペレットストーブを推奨しています。ペレットとは、廃木材や間伐材から作った木材の加工燃料です。
上記の通り、薪ストーブを使って火気使用室になる場合、ログハウスの様に壁や天井を板にすることが出来ません。
県が推奨しているのに内装制限という法律によって内装が石膏ボード+ビニールクロスしか使えないのはおかしい、という声を受け、長野県では、条例で、薪ストーブを設置しても内装制限を受けません。
全国的にも、この内装制限の特例措置が、今年か来年度に採られる見込みだというのが業界内の予測です(薪ストーブ販売商社談)。
この様に、日本での明確な基準がないため、いい加減な商品や施工では、危険性があることは事実だと思いますので、米国やオーストラリアなど、世界的にも厳しい基準を設けている国の規制や、その国のメーカーの施工基準を遵守することが肝要であると思います。