企業年金積立不足~対応するも地獄、しないも地獄
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こんにちは。
公認会計士の岸井です。
昨日の日経の記事「年金積み立て不足、14年3月期から負債に計上」や本日の同様の記事を見た方もいらっしゃると思います。
現在の会計基準では、将来支払わなくてはならない退職年金の金額全額が必ずしも貸借対照表に表れているわけではなく、現時点でどれだけの積立不足があるのか決算書の隅っこの方(注記)をじっくり見ないと分からないものでした。
今回の新基準では、隅っこの方ではなく直接、貸借対照表上に計上するとされるため、隠れていた債務が表に出てくることになります。
この変更は平成2014年3月期決算から適用(連結のみ)され、
適用すると、積立不足分だった分、負債が膨らみますから、
(何も状況は変わっていないのに)そのタイミングで財政状態が悪化します。
特に従業員を多く抱える製造業は影響が大きい傾向があります。
また最近の年金の運用成績を見ると、
年金資産(積み立てているお金)が目減りしていることも多く、積み立て不足は非常に大きな金額になります。
企業の対策として、これを機に確定給付型の企業年金(企業が従業員に払う額が決まっている=従業員がもらえる額が決まっているタイプ)から確定拠出型の企業年金(企業が払う掛け金が決まっている=従業員がもらえる額は運用次第のタイプ)への変更をすることが考えられます。
退職規程自体を変更しようとして、従業員側と揉める会社も増えそうです。
会計基準の変更に対応しようとして、逆に痛い目にあう可能性があるわけです。
また、最近のAIJ問題のように、(あれほどひどくないにしても)外部積立の年金資産が著しく目減りしているケースが多くあります。
年金資産の管理も益々重要になっていきますね。
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公認会計士 岸井幸生
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このコラムの執筆専門家
- 岸井 幸生
- (東京都 / 公認会計士・税理士)
- LBA会計事務所 代表
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