- 塚本 有紀
- フランス料理・製菓教室「アトリエ・イグレック」 主宰
- 大阪府
- 料理講師
対象:料理・クッキング
- 黄 惠子
- (料理講師)
ダコワーズdacquoiseを使った、旬のグレープフルーツのケーキ
今月はメレンゲが主題の授業です。
フレンチメレンゲを作り、ヴァシュランvacherinを作ります。ヴァシュランとはそもそもチーズの名前ですが、メレンゲを容器の形に絞って乾燥焼きし、中にアイスクリームなど氷菓を詰めたもののこと。
メレンゲは砂糖を加えるタイミングや量を変えて、理論をきちんとご説明します。
メレンゲはお菓子作りの基本中の基本。とても大事な事だと思います。
さてつぎは応用です。メレンゲを使って、ダコワーズdacquoiseを作ります。ダコワーズは南西部ランド県のダックスDaxという町に由来します。
デモではクラシックなダコワーズを作ります。2枚のダコワーズの間にはコーヒーのバタークリームを挟みます。コーヒーのエッセンスは売っていますが、作れるので、作ります。
子供時代、好きではなかったバタークリーム。じつは発酵バターできちんと作ると、ちょっと重たいものの、味わい深くとてもおいしいものです。
昔はダコワーズは甘いし重たいし「通向け」とご紹介していましたが、今ではすっかり普通になりました。私も大好きな定番のフランス菓子になりました。
ところで日本では、このお菓子のことを「ダックワーズ」と呼ぶことが多いように思いますが、フランスには、小判型の小さいダコワーズはありません。こちらは日本のもの。甘くて重たいお菓子を日本の人々においしく召し上がっていただくために作られたものです。
私がどんなにダコワーズが好きでも、甘くて重たいことは否定しません。せっかく作っても、もし生徒さんのご家族に「甘い!」なんて言われたら、気の毒。そこで実習では少しアレンジしてクレーム・ムースリンヌにし、今が旬のグレープフルーツと合わせてみました(冒頭の写真)。グレープフルーツの酸で、バタークリームが軽く食べられてしまいます。
パン・ド・ジェンヌ pain de gene
ジェノヴァのパンという意味です。1800年にマセナ元帥によるジェノヴァ包囲を記念して、元帥に敬意を表して作られたお菓子です。
籠城軍の兵糧がアーモンドとお米だったため、このお菓子には必ずアーモンドが使われます。(ではお米はどうしたのでしょう?)
パン・ド・ジェンヌはたいていローマジパンから作りますが、ローマジパンは自分で作ることができます。授業では、酸化していない皮付きのアーモンドの皮を剥くところからスタート。砂糖とあわせフードプロセッサーにかけ、ペースト状にします。
何より新鮮な味わい、保存料などの薬品を摂ってしまう心配もありません。必要な量だけ作れるのも利点です。
「お菓子作りがまた一つ好きになりました」と、昔、生徒さんからうれしい言葉を頂いたことが忘れられません。
しっとりふんわりした焼き上がりのパン・ド・ジェンヌは、派手なおいしさこそありませんが、じんわり滋味深い、優しいおいしさのお菓子です。
ご興味のある方はぜひどうぞお気軽にご参加ください。
5月19日(土)21日(月)13:00より
受講料:7500円
お問い合わせはigrek@yukitsukamoto.comまでどうぞ!
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