自身のポートフォリオとファンドとの比較で知る運用の良さ・悪さ

昨年末、2011年12月23日の日経新聞に、『米国の公的年金、見直し広がる。運用不振で予定利回り下げ、現役世代、消費に影響』という見出しで記事が掲載されていました。米国の州、地方政府が運営する公的年金で、年金給付に必要な予定利回りを下げる動きが広がっているとの報道です。

先日、日本でも公的年金の運用が悪化した、企業年金も運用悪化の記事がありました。軒並み成績が悪化しています、欧州の金融危機の影響で、世界的に金融機関の成績が悪化しました。

皆様の、運用成績は如何でしょうか。年度が変わった月ですので、御自分の運用成績を確かめましょう。
皆様の投資元本と時価総額の点検とベンチマークの設定で毎月のベンチマークとの比較が可能です。

とりあえず、用意するものは、各証券会社の運用報告書です。複数の口座がある場合にはそれらを揃えましょう。

PCをお持ちの方は、エクセルで保有銘柄の時価評価額をご記入ください。
できれば、毎月記入できるように作成されるようお勧めします。毎月記入が手間な場合には、運用報告書が届いた際に記入できるように為っていれば良いと思います。

ここに、期日ごとの時価評価額を記入します。そして最下段に投資した金額の全額を入れます。これで投資金額と時価評価残高の比較ができます。
損益額が解ります。赤3ヶ月前の損益額と収益率、6ヶ月前、1年前、3年前、5年前、10年前、投資を開始した年月から取れる方もいらっしゃるかも知れません。率、

ベンチマークの作り方は、ご自身の資産配分方針に沿って加重します。
例えば、国内債券に35%、国内株式に35%、先進国債券に20%、先進国株式に10%
配分するとお決めに為っている場合の合成ベンチマークは、
国内債券のインデックス(例えば野村BPI)の成績×35%＝a
国内株式のインデックス(例えばTOPIX)の成績×35%＝b
先進国債券のインデックス(例えばシティーグループ国債指数)の成績×20%＝c
先進国株式のインデックス(例えばMSCIコクサイ指数)の成績×10%＝d
合成ベンチマークの運用成績は、a+b+c+d＝ベンチマークの成績です

ベンチマークに使用する各指数は、証券会社または運用会社の運用レポートで確認ができます。例えば、運用会社のホームページで、インデックスファンドの運用レポートを開くと、ベンチマークとして、上記の例で挙げた指数の1ヶ月来、3ヶ月来、6ヶ月来、1年来、3年来、5年来、10年来、設定来が掲載されています。

この数値と、御自分の経年の収益率、又は、現在の時価が過去と比べて、どの程度上昇・下降しているかが解ります。

サンプルとして、私のマイファンドレポートをご一読ください。
http://www.officemyfp.com/myfundreport-51.html

この中には、上記各指数の経年来の数字と、私の資産配分とベンチマーク、4資産クラス均等の数値を載せています。ベンチマークを作成するのが面倒で有れば、4資産均等を参照地として下さい。

なお、上記4指数でなく、新興国等を含む物を作成する場合には、当該資産を対象とするインデックスファンドの運用レポートで確認ください。ただし、マイナーな指数の場合には記載されていないケースがあります。

その上で、モーニングスターのファンド検索で、全ファンド又は区分カテゴリーの中でご自身の成績が良い方・悪い方に位置するかがあるかが解ります。
ファンド検索では、1ヶ月来、3ヶ月来、6ヶ月来、1年来、3年来、5年来の成績が比較できます(但し一階にできるのは2:件の成績ですので、1年来と5年来の数値で比較されるようお勧めします)。

現在損失が出ていても、ファンドの順位は上位にあるかもしれません。

モーニングスターのファンド検索では、運用期間が5年以上、償還迄10年以上のファンド(確定拠出年金専用ファンド、ラップ口座専用含む)ファンドは、1322件登録されています。私の、11月30日現在の運用成績は、1年来でマイナス8.0%、3年来でマイナス1.8%ですので、これ以上の成績を残しているファンドを検索すると、214件です。上位17%内に入ります。

ファンドの構成が異なりますから、バランスファンドの中ではどうかを調べたいときは
同じ手順でファンド数を調べると122件登録されています。
1年来と3年来で比較すると、8件ですので、成績は上位6.6%内に入ります。

このように、比較することの意味は
1.上位40%内で有れば、○、上位20%内で有れば◎というように、御自分のポートフォリオの良さ悪さが解ります。
2.継続していると、常に儲かるファンドは稀有で有ることが解ります。
3.インデックスファンドが上位グループに入ることも解ります(特に5年来で)

こせにより、資産配分を変更(リアロケーション)したり、資産配分からずれてしまった際のリバランスにお役立て下さい。

★毎月資産運用・ライフプランのセミナーを開催しています。
宜しければご参加ください
http://www.officemyfp.com/seminerannai.htm

文責
ファイナンシャル・プランナー:日本FP協会認定CFP(R)
宅地建物取引主任者
ロングステイ財団登録ロングステイアドバイザー
独立系顧問料制ファイナンシャル・アドバイザー　
吉 野　充 巨
独立系顧問料制アドバイザーの紹介
http://profile.ne.jp/w/c-64005/
http://www.officemyfp.com/komonryouseiadviser.html

『このコラム又は回答は、投資判断の参考となります情報の提供を目的としたものであり、有価証券の取引その他の取引の勧誘を目的としたものではありません。
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