マドレーヌに向く蜂蜜とは? 3月の製菓基礎講座にて - 料理教室 - 専門家プロファイル

塚本 有紀
フランス料理・製菓教室「アトリエ・イグレック」 主宰
大阪府
料理講師

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マドレーヌに向く蜂蜜とは? 3月の製菓基礎講座にて

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フランス菓子

3月17日19日
製菓基礎講座にて


今月は焼き菓子いろいろ講座第1弾です(2弾は5月の予定)。


まずはマドレーヌ。由来は去年の講座のブログをどうぞ。
シンプルで基本のお菓子だからこそ、じつは侮れないと思っています。

今年はぷくっとした貝殻型の型も使いました。なかなかよい焼き上がりです。


私は基本的にベーキングパウダーは使わないのですが、工夫すればそれでもこのくらいの密やかなおへそがでてくれます。


蜂蜜風味には、今年は「菩提樹tilleul」と「ボリッジborragine」の蜂蜜を使いました。
菩提樹ははっきりとした個性がマドレーヌにも残ります。毎年たくさんの種類の蜂蜜を試してみて、授業でマドレーヌに使ってみます。
これまで何十種類も試してみて思うのは、マドレーヌに合う蜂蜜とまったく合わない蜂蜜があるということ。私が思うに、合う(蜂蜜味が全面にでる)のは、強い個性と酸の裏打ちのある蜂蜜です。クセが強くても、酸がないとマドレーヌは寝ぼけますし、大事なことですが、その強いクセが自分の好みでなければおいしくないのです。
反対に残念なのは、繊細で上品で気品のあるようなすばらしい蜂蜜。私にはたとえばフランボワーズの花の蜂蜜です。味が出ないのです。だから、もったいないばかり。
無理なのは、私にはさくらんぼやアーモンドの花の蜂蜜です。蜂蜜そのものが、ちょっと苦手だからです。
おもしろいところでもみの樹液で作ったことも。フランスのしゃくなげ、日本の桜にバラ・・。ブルゴーニュのたんぽぽは子供時代を思い起こさせる香り。
コーヒーの花は国が違えばとてもよい回とさっぱりなときと。イタリアのオレンジは強いけれど、スペインはマイルド(すぎ・・)。去年よくても、今年は今ひとつ・・ということもあります。
つまり蜂蜜は農産物なので、ロットが違うと味が違って当然なのです。
だから毎年のマドレーヌ作りはとても楽しい時間です。

ボリッジは少し前にレストランの前菜のお皿に、その花がのっていました。初めてみる花ですが、とても可憐で、その名前が耳に残っていました。
蜂蜜は強い個性はないものの、すっとした味わい。マドレーヌにしてみると、いわゆる蜂蜜味はないのですが、旨味の裏打ちとして素直においしい感じです。

蜂蜜専門店のラベイユで試食させてもらうのですが、今年面白かったのは、まずはサボテンの花の蜂蜜です。メントールの香りがあり、とてもおいしいものでした(高すぎて使えず・・)。他にはコットンとか、アルファルファ、ギリシャのセージ。あの花からどんな蜜が?と想像するだけでも楽しい時間です。龍眼はメンソレータムの味がするような・・。



ガレット・ブルトンヌgalette bretonne



ガトー・ブルトンgateau breton
はほとんどレシピは違いません。焼く大きさと型を変えるとこんなに風味が違うのだとびっくりするくらいに、別のお菓子になります。



りんごのカトル・カールquatre-quart aux pommes



ロイヤルミルクティーアイス

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