羊毛断熱とグラスウールはどちらも繊維系の断熱材ですが、施工法は全く異なります。
●羊毛断熱
羊毛断熱材は自然由来の断熱材で、撥水加工もされていますので、壁の隙間にちぎって入れる事が可能になります。服にセーターを着せる様なイメージ施工しても何の問題もありません。
●グラスウール
グラスウールは鉱物繊維で体質によっては触れるとアレルギーを引き起こす人もいます。鉱物繊維は極端に細い針の様なものです。壁の中に仕舞い込むからといって、この様な使い方をしてはいけません。ハウスダストとして室内に侵入して、アレルギー体質の人を苦しめます。
その為、ポリエチレンシートの中に入って、グラスウールが空中に飛散しないように、密封されています。袋を切断する事もやむを得ずあるかもしれませんが、切断箇所はテープ止め等を行ってグラスウールが露出しないように施工しないといけません。
●グラスウールの施工法
袋の耳を柱の正面で止めてボードを貼る前の段階で、ボード面との間に隙間の無い様に止めないと壁面内結露の原因となります。ボードを貼る時、袋の耳が邪魔にならないようにわざわざ側面に止められている現場をよく目撃しますが、これは誤りです。
このコラムの執筆専門家
- 福味 健治
- (大阪府 / 建築家)
- 岡田一級建築士事務所
木造住宅が得意な建築家。
建築基準法だけでは、家の健全性は担保されません。木造住宅は伝統的に勘や経験で建てらていますが、昨今の地震被害は構造計算を無視している事が大きく影響しています。弊社は木造住宅も構造計算を行って設計しています。免震住宅も手掛けています。
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