一般投資家はプロに勝てるのか

このところ、資産運用のコラムを書き続けています。資産運用の世界で、我々一般投資家は、機関投資家(プロ)と競う事が出来るのでしょうか。について述べさせていただきます。

昨年の7月25日日経で、東証が高速取引に対応するためのシステム対応を進めたことが掲載されています。現在、世界の証券取引所同士で、超高速への熾烈な競争が行われています。
何故ならば、機関投資家を含む金融機関が、金融工学をベースに新しい手法やデリバティブを開発し、それを遂行する為のシステムの開発が進んだからです。これに対応できない市場は取引の減少により、退場しなければならないからです。

その金融機関等は、高学歴で経験豊かな人材を集め、アルファを得るために競合を出し抜こうとしのぎを削っています。　それらビックな機関投資家は、儲けているのでしょうか。この機関投資家、投資銀行の自己取引の世界でも、勝ち抜いている者は少数派です。これら機関投資家に属するメンバー間のコミュニケーションもまた膨大です。何よりも彼らは四六時中夫々のパートで四六時中投資の事を考え・行動しています。

このような中で、手にしている武器は高機能PC程度で、彼らに比べれば知識も浅く、人的ネットワークも小さな者が、資産投資家が溢れている市場で勝てるとは思えません。
もし、勝てると考えていらっしゃる方は、自信過剰なのではないでしょうか。
(参考図書チャールズ・エリス著、「敗者のゲーム」日本経済新聞社刊、デイビッド・スウェンセン「イェール大学CEOに学ぶ投資哲学」日経BP社刊など)。

投資助言を業としている私が云うのも何ですが、「プロには勝てない」と考えて、資産運用に臨むようお客様にはお伝えしています。
では、勝てないことを前提とした、資産運用の目指すものは何か。

それは、ライフプランに沿った資産運用を考えることと思います。
また、資産運用の手法は、原則に則った運用方法に為ります。あまりブームや人気に左右されない運用とも言えます。

ライフプランの一義は、ご自身の夢や希望がどけだけ実現できるのかにあります。これを測るのは、生涯のキャッシュフローで資産が枯渇しないことが大目標に為ります。また、大金持ちになれれば良いけれども、それは運に左右されるので、損失が出にくい運用を心掛けることに為ります。

大半のプロは、短期的な利益≒鞘抜きや裁定取引から利益を稼いでいます。また、その様な場面に居ずに長期投資を担当していても、1年程度のスパンで利益を出さなければならない方達が圧倒的です。長期とは1年以上をさす、短期間で成果を競う社会です。

このような世界から、一般投資家として競争しない方法として、
1.長期的な視点(10年単位)で資産運用の成果を目標と対比する。
人生100年時代に我々は生きています。
2.運用結果が、市場のリターン－コストから大きく下がらなければ、良とする。
ノーベル賞受賞者で「シャープレシオ」のシャープ氏、「ランダムフォーカー」のマルキール氏、バンガードグル―プ創業者のボーグル氏、山崎元氏、藤沢一希氏等々、そしてあのバッフェット氏も、「ファンドマネジャーは長期的には平均に勝てない」と言っていますし、数々の実証データがそれを証明しています。
このような立場から、投資助言、資産運用のアドバイスを行っています。

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http://www.officemyfp.com/

文責
ファイナンシャル・プランナー

独立系顧問料制ファイナンシャルアドバイザー

　吉 野　充 巨

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